10月30日(木)午後、エルサレムでは、超正統派たちが、イスラエル軍への徴兵に反対する超大規模な祈りの集会、「100万人の男たち」を行った。
実際に参加したのは、20万人と報じられている。めずらしく、違う派閥も一つになったとみられ、記録的なほどに大規模な集まりになっていた。
エルサレム市への入り口付近が黒服の群衆で埋め尽くされ、道路も路面電車も地下鉄も、一時封鎖状態の大混乱となった。
一部の超正統派の若者たちは、建設中の建物や、クレーンに登っており、男性1人(20)が落ちて、死亡した。自殺の可能性もあるとのこと。デモはその後解散とされたが、その後に、一部の正統派と治安部隊の間で、衝突が発生していた。この日警備にあたっていた警察は2000人だった。
イスラエルでは、超正統派イシバ(神学校)学生の従軍義務を免除するという法律があるが、2023年6月にその期限を迎えた時に、政府はこれを延長しなかった。このため、超正統派の若者も召集令状を受け取った人もいるが、まだほとんど応じていない。
それからまもなく、イスラエルはガザとの戦争になった。以来、戦争が2年も続き、1000人近い兵士が死亡した他、負傷兵は2万人といわれ、その多くはPTSDを患っている。イスラエル軍は、現時点で1万2000人の兵士を必要としているとのこと。

この同じ2年間の間、超正統派たちは、時々、徴兵に反対するデモを行ってきた。その延長線上にあるのが、今回の超大規模なデモだったのである。
Times of Israelによると、警察が、徴兵回避者とマークする超正統派は、6075人。
このうち、これまでに逮捕されたのは870人で、7%である。おそらくすぐに釈放されているとみられる。これは、今のネタニヤフ政権に、ユダヤ教政党が、加わっていることが原因と言われている。
多くの世俗派の親たちが、息子たちを戦争で失い、重傷を負って人生が変わってしまった人もいる。その横で行われる、こうした従軍拒否のデモに、怒りや不快感を訴える人は少なくない。
一方、同じ超正統派でも、義務はないのに、自主的に従軍する人もいる。この同じ日、デモが始まる数時間前には、エルサレムの嘆きの壁で、訓練を終えた超正統派兵士たちの入隊式が行われていた。
עוד משהו שקורה היום בירושלים: טקס כומתה של פלוגת לוחמי המילואים של חטיבת חשמונאים החרדית
צילם: דביר אריאלי pic.twitter.com/CUJw19vADz— הפרגוד (@moshepargod) October 30, 2025
エルサレム。なんとも多様な世界である。この多様性が、まさにイスラエルだと実感する。
