ヴァンス米副大統領イスラエル到着:キリアット・ガットの米ガザ監視隊(準備中)訪問 2025.10.22

US Vice President JD Vance speak to the media as US Special Envoy to the Middle East Steve Witkoff and Jared Kushner stand next to him, in Kiryat Gat, Israel, October 21, 2025. (AP Photo/Francisco Seco)

ガザでの停戦維持に本気を見せているトランプ大統領。ウィトコフ特使とクシュナー氏に続いて、ヴァンス副大統領がイスラエルに到着した。

その後、ウィトコフ特使たちと共に、キリアット・ガットで準備中のガザ監視を担当する、200人のアメリカ軍部隊を訪問した。

そこには、アメリカ軍だけでなく、イスラエル南部部隊軍幹部たちと、アメリカと協力するイギリス、カナダ、デンマーク、ヨルダンの部隊も集まっていた。

記者会見において、ヴァンス副大統領は、「今日、ここに文民と軍が協力する平和センターをオープンし、ガザを再建する計画を開始する。治安維持の協力部隊がいることで、長期の平和を実現する」と語った。

ヴァンス米副大統領は、アメリカの20項目により停戦が、予想以上に維持できていると述べ、イスラエルと、関係するアラブ・イスラム諸国に賞賛と感謝を述べた。

また、ハマスとイスラエルの衝突を強調して、停戦が終わるのではとの懸念をそそいでいる“弱い”国際メディアを非難。停戦は終わっていないと宣言した。

人質の遺体の返還については、一部の遺体は膨大な瓦礫の下にある上、ハマス自身もどこにあるかわからない遺体もある。全部探すのには時間がかかると述べ、しかし、だからといって捜索しないで良いと言うわけではないと述べた。

ヴァンス副大統領は、「ガザの平和と復興のためには、すべての国に、それぞれが担う役割がある。そのために、イスラエルは、その領域に国際部隊が滞在することを受け入れなければない。ただそれは、あくまでもイスラエルが決めることである」とも述べた。

特に懸念されているのが、トルコの参加である。トルコは公にハマス支援を表明していた国である。最近では、2010年にイスラエルとの関係が断絶したトルコのフロティーラが、イスラエルを非難しつつ、ガザで支援活動を行なっていたこともわかっている。

ヴァンス副大統領は、どうするかを決めるのは、イスラエルだが、トルコにも果たすべき役割はあると思うと語った。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/vance-finding-rest-of-deceased-hostages-is-not-going-to-happen-overnight-hamas-must-disarm/

石のひとりごと

アメリカの副大統領の宣言である。これでもまだハマスが、イスラエルに攻撃を仕掛けて、停戦を崩壊させようとするなら、まさにアメリカを敵に回すということになる。

トランプ大統領のガザ停戦維持への本気度が強調されている。

 

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。