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イギリス・マンチェスターのシナゴーグでテロ:ユダヤ人2人死亡・3人重傷

10月2日(木)朝9時半、イギリス北部、マンチェスターのヒートン・パーク・ヘブル・シナゴーグで、ヨム・キプールの集会で、多数のユダヤ人たちが、外に集まっている中へ車が突っ込んできて、門に衝突した。その後、テロリストは、付近にいたユダヤ人を、ナイフで刺しはじめた。
これにより、ユダヤ人2人、アドリアン・ダウルビィさん(53)とメルヴィン・クラヴィッツさん(66)が死亡。4人が重傷となった(1人はテロリスト?)。
犯人1人は、近くにいた警察官が銃撃したが、体に爆弾らしきものを装着していたので、爆発させるのではと緊張が走った。以下はその時の様子。
Warning: This video contains distressing images.
Footage shows the moment police opened fire on the suspected attacker at a synagogue in Manchester.
Latest on this story: t.co/bA4Q9KtTzf pic.twitter.com/8fpU31089W
— Sky News (@SkyNews) October 2, 2025
爆弾は偽物だったが、ロボットによる爆発物確認作業が終わり、安全が確認されたのは、数時間経ってからだった。犯人の死亡もその時に確認された。警察はこの他、3人(30代男性2人と60代女性1人)を逮捕している。
事件は、6分ほどの間だった。この間、ラビ・ダニエル・ウォーカーは、外にいた人々を中に呼び込み、シナゴーグの扉を閉めて、犯人が中に入ってこないようにしていた。
その後、目撃者によると、中にいた幼い子供3人を含む、約30人のユダヤ人は、安全に外へ導き出されていたとのこと。
ヨム・キプールで、男性たちは白い服を着ているのがわかる。
イギリスの警察は、事件を「テロ攻撃」と認定し、一時全国の警察や救急隊に、緊急事態を発動。
スターマー首相は、デンマークでの欧州首脳会議から急遽帰国し、全国のシナゴーグに警備を追加配備するよう、指示した。
テロ事件の後、チャールズ3世とカミラ王妃は、よりにもよって、ユダヤ人にとって最も聖なる日にこんなことが起こったと、深い衝撃と悲嘆を表明した。
テロリストはシリア系イギリス人

このテロに及んで、警察に銃殺されたテロリスト、ジハード・アル・シャミ(35)は、幼少期にシリアへ移住し、2006年にイギリスの市民権を獲得していた。イスラム主義者とみられているが、警察にその記録や前科もないとのこと。
www.timesofisrael.com/manchester-attacker-named-starmer-suspect-attacked-jews-because-they-are-jews/
イギリスでは、反ユダヤ主義が急速に悪化しており、ユダヤ人たちは、いつかはこのような事件になるのではないかと思っていたという。今後、反ユダヤ主義暴力の津波になるのではないかと恐れているとのこと。
ヘルツォグ大統領が数日前に激増する反ユダヤ主義暴力をイギリス王室に警告
イギリスの反ユダヤ主義を監視している組織CSTによると、イギリス在住のユダヤ人は役29万人。2023年10月7日以降、イギリス国内での反ユダヤ主義事件が急増している。昨年は、3528件の反ユダヤ主義暴力が発生していた。また、今年半年だけで1500件を超える事件が発生している。
こうした状況を受けて、イスラエルのヘルツォグ大統領が、今週初頭、実に、この事件が発生する数日前に、イギリスの国王、チャールズ3世に、反ユダヤ主義と反イスラエル主義事件の急増を憂慮すると警告する手紙を出していた。
www.ynetnews.com/article/r10en5hnge#autoplay
ヘルツォグ大統領は、「80年前は、ファシズムとナチズムに対して団結していた国々が、今では、ユダヤ人を憎む反ユダヤ主義に支配されるようになっている」書いていた。
ヘルツォグ大統領は、世界に拡大する反ユダヤ主義が、今の中東情勢に端を発していることは理解するが、それが反ユダヤ主義につながっていくことは、各国首脳は防がなければならないと述べていた。
BREAKING: Sky News has seen the signed letter sent by Israeli President Isaac Herzog to King Charles III, .
Herzog writes: "The nations which just 80 years ago stood united against fascism and Nazism have now become overrun with anti-Jewish hatred." pic.twitter.com/jjQDianDKm— Adam Parsons (@adamparsons) October 2, 2025
なお、イギリス当局は、このテロが発生した同じ日の夜、同じマンチェスター市内で、特にガザのフロティーラへのイスラエルの対処に反発する左派反イスラエルのデモを許可していた。警察は延期を求めたが、主催者は、拒否し、この日の夜、デモが行われていた。
Manchester Emergency Pro Palestine Flotilla protest, comes to a end at St Peters Square after marching from Piccadilly Train Station – England pic.twitter.com/ShDdJ9Zre9
— Tke Media (@TkeMedia) October 2, 2025
石のひとりごと
ヨム・キプール(大贖罪日)は、ユダヤ人たちが、聖書に書かれている天地創造の神、主の前に、すべての罪を悔い改めたあと、ついにあがないを受けるとされる日である。ユダヤ人たちは、この日、罪が赦され、自分の名が天の書物に書き記されたことを思うのである。
聖書にも記されているユダヤ人が守るべき秋の例祭は、終わりの時の型であり、それでいくと、ヨム・キプールは、メシアが来る日と考えられている。
私たちキリスト者は、イエスキリストの十字架と復活という肩代わりの犠牲によって、贖いが完成したとして、これを信じる者のすべての罪が赦され、天に名が記されると信じている。そうして、将来、主イエスが再臨する日が来ると信じている。ヨム・キプールに来るとみられる、ユダヤ人のメシアの到来は、キリスト者にとっては、イエスキリストの再臨ということになる。
その悔い改めと赦しの頂点である、まさにこの日にあえて、しかも神の前に出ている最中のユダヤ人を殺したということである。
このテロリストたちは、ユダヤ人への敵意に止まらず、この神である主にまともに、敵意を表明したようなもので、その自らの罪によって、自分自身で、地獄直行を選んだようなものではないだろうか。恐ろしい限りである。
このことからわかることは、このテロリストたちは、主を信じていないということである。それを言うなら、ヨム・キプールの日に、あえてフロティーラで、イスラエルを非難しようとした人々も、霊的には、主ご自身に反発をしていた形ではないかと思う。
今、世界で広がっている反ユダヤ主義、反イスラエル主義に走る人々は、左派系であり、神より人間重視の人々である。その背景には、最終的には霊的な主への反発へとつながっていく気配を感じるのである。
