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ガザ・フロティーラ船団がガザへ再接近:ヨム・キプールにイスラエル軍対処準備

スウェーデンの機構活動家グレタ・トゥーンベリ氏を代表とする、親パレスチナのグローバル・スムード・フロティーラの船団47隻が、ガザ海域に近づいている。
イスラエルでは、10月1日(月)日没から、ヨム・キプール(大贖罪日)に入るが、この夜中すぎに、閉鎖海域(ガザ海岸から278km)に突入するみこみであるため、イスラエルは対処に追われることになる。
*以下は9月26日からのクリップ
47隻の船団に乗っているのは、数十カ国の親パレスチナ活動家約600人で、国会議員や弁護士なども含まれている。民間人ばかりなので、衝突で負傷者が出ないようにしなければならない。

フロティーらは、今年6月にも来たが、この時は、海域の外で、治安部隊が乗り込んで、静かに、アシュドド港へと誘導。トゥーンベリ氏たち3人は、10月7日のハマスの虐殺の記録映像を見せられた後、そこから送還されていた。
mtolive.net/ガザ・フロティーラ拿捕後グレタさんら3人送還:/
ところが、トゥーンベリ氏たちは、さらに多くの船団組んで、ガザにむけて出発したということである。しかも、今回は、トランプ大統領の20項目からなる、停戦案にイスラエルが合意し、アラブ諸国、ヨーロッパ諸国も賛同する中でのことである。
イタリアは、フロティーラの活動を支援する立場であったため、スペイン軍艦1隻とともに、海軍艦2隻を出して、船団を護衛している。しかし、メローニ首相は、このタイミングでは、停戦を妨害する可能性があるとして、フロティーラ船団は停止するよう警告を出した。
しかし、フロティーラ活動家たちは、これに聞き従わず、今もガザに向かっている。イタリアは、ガザ海域以降は護衛せず、引き返すと言っている。
イスラエル海軍は、前回のように、船に乗り込んで、活動家を全員拘束し、1隻に大型船に集めて、アシュドド港へと連行するとみられる。その後47隻の船の一部はアシュドド港へ連行するが、一部は沈没させる可能性もあるとのこと。
対処する警察官は600人だが、軍事的に制圧するのではなく、外交的な対処をめざすとしている。万が一にも衝突や負傷者が発生した場合に備えて、アシュドドでは、救急車8台が待機する他、近隣の病院も厳戒態勢に入る。
ハマスがフロティーラに関わっていた証拠書類を発見と発表:イスラエル外務省
イスラエル軍は、ガザで多くのハマス文書を発見、回収している。イスラエル外務省は、9月30日(火)、その中に、現在のフロティーラ指導者と、ハマスの海外機関であるPCPA(Popular Conference for Palestinians Abroad 2018年設立)との関連を証拠づける書類があったと発表した。

書類には、PCPA工作員のリストがあり、そのうちの一人、ザヘル・ビラウィ(写真左から二人目)は、過去15年間にわたって、フロティーラのような船を組織した人物であった。
また、スペインのPCPAに所属するサイフ・アブ・カシュクは、今回の船団に加わっている、スムード艦隊を組織するCEOである。
停戦案が出ている今、それを妨害する可能性もあるフロティーラの船団だが、その背後にハマスがいる可能性が高い。
なお、世界の主要な反イスラエル組織も、トランプ大統領の20項目からなる停戦案を、植民地主義、民族浄化だとして反発しているとのこと。
www.jpost.com/international/article-869126
石のひとりごと
ガザに住む人々は、とにかく攻撃が止まることを願っている。アラブ諸国やヨーロッパ諸国もこれを願って、トランプ大統領のガザ停戦案を賞賛している。
しかし、この案は、ハマスには不利なものである。このタイミングで、フロティーラ船団が、ガザを目指して混乱を起こし、停戦を邪魔しようとしている点からも、フロティーラとハマスとの連携が見え隠れする。
フロティーラはじめ、世界の親パレスチナの活動家たちは、トランプ大統領とネタニヤフ首相も合意した、ガザ停戦案に反発している。
結局のところ、ガザの人々のことを考えての親パレスチナ運動ではなく、イスラエルを憎むがゆえの親パレスチナ運動だというのが真の動機なのだろう。
これはまさに、ハマスと一致する点である。ハマスは、ガザの人々のことは全く考えておらず、イスラエルを打倒することのみを考えている。フロティーラとハマスの接点に不思議はないだろう。
ともかくも、イスラエルが今夜、この船団を平穏のうちに取り押さえることができるように祈る。
