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イスラエルがガザ市陸空・諜報部隊による本格攻撃開始
イスラエル軍は、ここしばらく、ガザ市の高層ビルなどを攻撃、破壊し、ガザ市民には、ビラを撒いて、地上軍による攻撃が始まる前に、南部へ避難するよう警告していた。
こうした中、9月16日(火)、深夜過ぎから16日午前10時ぐらいまでの間に大規模で断続的な空爆が始まった。後の報告では、50ヶ所以上を攻撃したとのこと。
病院によると、空爆で39人の死亡を確認したとのこと。いつものように戦闘員と民間人の区別はない。
www.jpost.com/israel-news/defense-news/article-867720
パレスチナのメディアによると、ガザ市では、戦車も見られており、ハマスのインフラを破壊する他、ハマスが、地上軍が来た場合に備えて仕掛けた爆弾の破壊も行っている。「ガザは燃えている」との表現が出ている。

この激しい攻撃で、数千人がガザ市を出て南部へむかった。現時点で、37万人以上がガザ市を離れたとみられている。
今後もガザ市を脱出する避難民は増えるとみて、イスラエル軍は、海岸沿い経路に加えて、もう一本、回廊を増やす予定とのこと。
一点気になる情報がある。ガザで唯一のカトリック教会は、今も移動を拒否しているとのこと。ここのシスターたちが、負傷者など動けない人々60-70人をケアしているからである。
この直前、IDFのザミール参謀総長が、攻撃に強く反対したとのニュースが出回っていた。これについて、ザミール参謀総長は、作戦のリスクと利点を確認することは、軍のリーダーとして当然のことだと語った。
その結果で政府から指示が出た以上、最善を尽くすということである。
イスラエルのガザ市攻撃に関しての表明
ネタニヤフ首相は、「イスラエルはガザ市集中的な作戦を開始した」とこれを認め、軍に、ガザ市民の避難を促すよう、指示した。
カッツ国防相は、「イスラエルが、ハマスに求めるのは、人質全員の解放と武装解除の2点のみだ。しかし、ハマスがこれに応じないので、ハマスを打倒する。
今、ガザを制覇するのは、ハマスがガザを支配しているからだ。ガザが崩壊すれば、ハマスも崩壊する」と語った。
イスラエル軍のデフリン報道官は次のように報じた。
イスラエルは、昨夜、ガザ市において、陸空軍と諜報部隊が、イスラエルの治安を脅かす、ハマスを標的にした攻撃を開始した。ガザ市は、ハマスの拠点で、軍事政治力の中心である。
ハマスは、ガザ市を人類史上、最大の人間の盾にしている。通りの下には、司令室、ロケット発射施設、武器庫を結ぶ膨大なネットワークがある。それらが、意図的に市民のインフラ近くに設置されている。
市民には続けて、ガザ市の戦闘地域から、安全な地域に避難するよう指示する。イスラエル軍はガザ南部に、人道地域を拡大するなど、人道努力を拡大している。
ここでは、食糧や水、医療にもアクセスしやすくなっている。イスラエルは、市民が南部へ移動するための回廊を設立している。しかし、ハマスはこれを妨害して、避難家族たちを戦場へ送り返そうとしているのだ。
ハマスは、人質を非人道的な環境で維持し続けている。彼らの帰国が、我々の第一の使命だ。そのために戦いを続けている。軍は、人質を取り戻し、ハマスのガザ支配を終わらせると言う決意を持って戦っている。
ネタニヤフ首相:イスラエルには盟友アメリカがいると強調
この攻撃は、ルビオ米国務長官がイスラエル訪問を終え、カタールに飛び立った直後に始まった。ルビオ国務長官は、出発前に、「理想としては、ハマスが単純に降参することだが、最終的には、軍事的にハマスを排除することになるだろう。
結末まではそう長くはかからないと思う」と語っていた。軍事作戦が始まることを知っていたかのような発言である。

また、ネタニヤフ首相は、29日(月)の国連総会での発表の前にアメリカへ行くが、その際、トランプ大統領との会談に招かれたと述べ、イスラエルとアメリカの良好な同盟関係を世界にアピールした。
ハマスに勝ち目はないのだから、早く降参するよう、強力な圧力をかけたと形とみられている。
石のひとりごと
いよいよ地上戦に入った。この攻撃が失敗に終わらず、死者が膨らまないうちに、人質解放、ハマス撃滅という目標を、早く、短期間に達成することができるように祈る。
