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国連人権理事会の独立委員会がイスラエル「ジェノサイド」と認定
国連人権理事会の中にあるイスラエルとパレスチナ問題に関する独立調査委員会(COI・2021年発足)のナヴィ・ピレイ氏は、9月16日(火)、ちょうど、イスラエルがガザ市への本格攻撃開始した日、イスラエルが「ジェノサイド」を行っていると定義する報告書を出した。
国連は、第二次世界大戦が終わった直後の1948年、ユダヤ人をナチスが大量虐殺したホロコーストの例から、「ジェノサイド条約」を締結。ジェノサイドを定義する5項目を定めている。正式にジェノサイドかどうかは、この5項目のいずれか、また複数が見られた場合とされる。
ピレイ氏は、イスラエルは5項目のうち4項目、①集団の一員であるメンバーを殺すこと、②集団に対して重大な心身への危害を加えること、③肉体の破壊をもたらすために意図的な生活を集団に強制する、④集団における子供の出生を妨害する行為を行うこと、に当てはまるとしている。
④については、イスラエルが、ガザ最大の不妊治療センターを破壊したことをあげている。ガザは出生率が高く、人口の半分近くが10歳以下という状態で、全く的はずれな指摘ではないかと思われる。
また、ピレイ氏は、2023年10月7日に、ネタニヤフ首相が「ハマスが展開し、隠れ、活動しているすべての場所、あの邪悪な都市に対して、強力な報復を加える」と誓っていたことを挙げ、ネタニヤフ首相、ヘルツォグ大統領、ガラント元国防相が、ジェノサイドを扇動したと指摘。
ピレイ氏は、イスラエルの治安部隊のガザでの行動パターンからすると、ジェノサイドの意図があったと推測することが合理的だと述べた。
この3人には、今年2月に国際司法裁判所(ICC)が、戦争犯罪だとして、ハマス指導者3人とともに、逮捕状を出している。ピレイ氏は、ICCとも連絡を取っていると言っている。*ハマス指導者3人はすでに死亡
mtolive.net/トランプ大統領がネタニヤフ首相とガラント前国/
ナヴィ・ピレイ氏は、南アフリカ出身の元国連人権高等弁務官、ルワンダのジェノサイドに関する国際法定で、裁判長だった。長きに渡り、イスラエルへの批判を出してきた人物である。
www.bbc.com/japanese/articles/c1jz5exkgk9o
イスラエル外務省:歪んだ報告と非難
イスラエル外務省は、ピレイ氏の報告は、歪められた報告であり、「反ユダヤ主義の立場によるものであり、ハマスを代弁するものだ」とこれを強く否定するとともに、この独立委員会の解散を要求した。
ガザでイスラエルがジェノサイドを行っているという指摘は、これまでからも言われてきたことである。
このため、イスラエルにあるBESA(ベギン・サダトセンター(バル・イラン大学))は、これを学術的に論破する研究を行い、すでにその結果を発表している。
besacenter.org/debunking-the-genocide-allegationsa-reexamination-of-the-israel-hamas-war-2023-2025/
イスラエルは、ピレイ氏は明らかに、これを無視していると指摘した。
なお、ピレイ氏の発言だが、国連を代表した声明にはならないとのこと。
Arutz7によると、ピレイ氏の報告が公表された後、国連のグテーレス事務総長が、ガザ情勢を法的にジェノサイドと定義づけはできないとの考えを表明していると伝えている。
www.israelnationalnews.com/news/415059
石のひとりごと
イスラエルのジェノサイドが、公式に承認されたと、ピレイ氏の発言を世界中が、衝撃的に報じている。しかし、これは、イスラエルが指摘するように、歪んだ情報を元にした歪んだ判断であることは明らかである。
イスラエルに対するこうした悪意ある行為には、逆によくないことをかぶる可能性が高いと感じる。
ICCで、ネタニヤフ首相たち3人を戦争犯罪者だと訴えたカリム・カーン検察官は、性的不正行為をしたとうった出た女性が出たため、今年初頭に検察官を辞任。その後、2週間前には、同様のことを訴える2人目の女性が現れたとの報道が出ていた。
www.timesofisrael.com/second-woman-alleges-sexual-misconduct-by-icc-prosecutor-karim-khan/
