自国内でイスラエルの攻撃を受けたカタールは、イスラエルを「テロ国家」と呼び、緊急アラブ・イスラム首脳会議を招集した。
アラブ・イスラム首脳会議は、いわば中東のNATOのようなもので、加盟国が攻撃されたら、全員がその国の防衛に協力することになる。

首脳たちの会議に先立ち、各国外相たちが、14日(日)、に、採択すべき決議案の作成を行った。この会議において、カタールで外相も兼任するアル・サーニー首相は、現在の過激なイスラエル政府が、国際法を無視して実施したこの攻撃は、国家テロ以外のなにものでもないと表明。
イスラエルは、カタールが、ガザでの停戦に向けた公式な交渉を仲介していることを知っていながら、攻撃に踏み切ったとして、国際社会は、二重基準をやめ、イスラエルに対し、その犯した全ての犯罪を罰する時が来たと訴えた。
ロイターが伝えているところによると、アラブ・イスラム首脳会議では、次のような文言が提示される。
「イスラエルによるカタールでの攻撃は、イスラエルによる、ジェノサイド、民族浄化、飢餓、併合を続ける行動で領土拡大のポリシーの一環であり、地域の平和的共存を脅かすものである。
これらの行為は、イスラエルとの国交正常化にむけて、これまでに積み上げてきたものすべてを破壊する脅威に追い込むものである。」

これまでに積み上げてきたものとは、主にアブラハム合意をさしているとみられる。アブラハム合意は、ちょうと5年前の今週、UAE(アラブ首長国連邦)とバーレーンが、イスラエルとの国交正常化に合意して署名した。その後、モロッコとスーダンもその方向で動き始めていた。サウジアラビアの加盟が強く望まれていたが、それは実現していない。
会議には、イランのペゼシュキアン大統領、トルコのエルドアン大統領、パレスチナ自治政府のアッバス議長と、イスラエルに敵対する首脳たちも出席するとみられている。
このように、この時点での決議案では、特定した外交的な措置や、経済制裁などは表明されていないが、カタールは一人ではないのであり、イスラエルは中東で孤立しているということを強力にアピールする形になっている。

イスラエルのヘルツォグ大統領は、危機感を表明。イスラエルは、中東諸国との絆、橋を切り捨ててはならないと警告した。
ヘルツォグ大統領は、特に、国名は出さなかったが、今関係が深まり始めているUAEとの関係を失わないようにするべきだと語ったとみられている。
