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カタールでドーハ攻撃で死亡した6人の葬儀
9月11日(木)、ドーハでは、イスラエルの攻撃で死亡した6人の葬儀が行われた。カタールによると、死亡したのはハマス関係者5人とカタール人治安部隊員1人で、イスラエルが標的としていたハマス指導者は一人も含まれていない。
死亡したのは、ガザのハマス最高幹部でイスラエルの標的になっていたハリル・アル・ハイヤの息子のヒマン・アル・ハイヤ、アル・ハイヤのドーハでの事務局長ジハード・ラバド、アドバイザーかボディーガードとみられる3人とカタール治安部隊アル・ドサリ伍長となっている。
5人は殉教者とされ、遺体にはパレスチナの旗が覆われ、1人はカタールの国旗に覆われていた。葬儀には、カタールの首長であるシーカー・タミム・ビン・ハマド・アル・サーニーも出席するほど敬意が払われた葬儀であった。
息子が死亡したにもかかわらず、父親であるハリル・アル・ハイヤはじめ、標的となっていたハマス指導者は一人も出席していなかった。
遺体は実は、ハマス指導者ではないかと思わせるような動きだが、イスラエルの治安関係者は、ドーハへの攻撃で、ハマス指導者は一人も死んでいないとの見方を強めている。2人負傷したといわれているが、それも未確認とのこと。
ネタニヤフ首相は声明の中で、「カタールが、10月7日の大犯罪者であるハマス指導者への正しい措置をとらないなら、イスラエル自らが断行する。ハマスに聖域はない」と述べ、再び攻撃することも示唆している。
カタールが今週末に緊急アラブ・イスラム首脳会談開催
ドーハ攻撃の後も、ハマスは、イスラエルとの交渉は続けるといい、カタールも仲介は続けると言っている。
しかし、交渉は現時点では止まっており、カタールからは、イスラエルのドーハへの攻撃が、「人質のあらゆる希望を奪った」というような発言も出ている。
カタールは、この件に関する国連安保理の後の今週末14、15日に、緊急のアラブ・イスラム首脳会談を開催し、これからの対策を協議すると発表した。
専門家によると、カタールは狡猾なので、イスラエルに対する軍事的な反撃はせず、経済やその他のことで制裁を発動してくる可能性があると予測されている。
石のひとりごと
ハマスは、アメリカがテロ組織と指定する組織であり、いわば犯罪者である。にもかかわらず、カタールは、首長が参列するほどの最高の敬意を持って葬儀を行なっている。
カタールは明らかにハマス側なのである。イスラエル国内では、カタールが仲介者であること自体がおかしいという声はあったが、ハマスと話ができるのはカタールだけであったことから、カタールに頼らざるを得ない状態だった。
しかし、結局、今、カタール国内でハマスを攻撃する事態になったわけである。
イスラエル国内では、もっと早く(ガザでの破壊がここまで壮絶になる前に)これを決行して、ハマス殲滅をしておくべきだったとの声も出ている。
確かに、ハマスがアメリカの提案を検討している最中というタイミングの攻撃が賢明だったかどうかは疑問である。
トランプ大統領は、今回のカタールでの攻撃には不満を表明しており、ネタニヤフ首相には、これ以上の攻撃を繰り返さないよう求めたと伝えられている。
この方法では、仮にハマスを殲滅できたとしても、イスラエルは世界での孤立に自分自身を追い込むことになるとトランプ大統領は語っている。
すべては主の支配の中にあるが、イスラエルが今、置かれている立場は、非常に厳しいといえる。
