親イスラエル福音派でトランプ大統領支持活動家チャーリー・カーク氏暗殺:トランプ大統領・ネタニヤフ首相が遺憾と哀悼表明 2025.9.11

Charlie Kirk hands out hats before speaking at Utah Valley University in Orem, Utah, Wednesday, Sept. 10, 2025. (Tess Crowley/The Deseret News via AP)

親イスラエル・親トランプ大統領インフルエンサーのチャーリー・カーク氏暗殺

9月10日(水)、福音派クリスチャンで親イスラエル、ニューヨークタイムスはカリスマと表現するほど、強力なトランプ大統領支持の右派活動家でインフルエンサー、チャーリー・カーク氏(31)が、アメリカ・ユタ州のユタバレー大学で、“The American Comeback”の演説中に首を撃たれ、病院に搬送されたが、その後死亡した。

www.nytimes.com/live/2025/09/11/us/charlie-kirk-shooting-news

一時、容疑者が拘束されたが、犯人ではなかったようで、警察は今も犯人の捜索を続けている。以下は当日の集会の様子。かなりの人気者であったことがわかる。銃撃の後、人々はパニックになり現場から逃げていた。

twitter.com/yashar/status/1965913512037003453

Charlie Kirk, wife Erika and their two children.Instagram/charliekirk17762021年に結婚したカーク氏の妻のエリカ・フランツィヴェさんと2人の幼い息子と娘が遺族となった。

カーク氏に支えられてきたトランプ大統領は、すぐにSNSで遺憾と追悼を表明。次の日曜まで国旗を反旗にするよう指示した。

イスラエルでもトップで報じられ、ネタニヤフ首相も、遺憾と追悼を表明した。

チャーリー・カーク氏:インフルエンサーとして若者に影響力発揮の右派活動家

チャーリー・カーク氏は、2012年、まだ18歳の時に、右派保守派政治団体、ターニングポイント(TPUSA)を協力者と共に設立。850の大学に支部を置くまでに成長した。

大学を卒業後もTPUSAは、ユーチューブや、SNSなどを通じて、強力なインフルエンサーとなり、カーク氏は、若者の間で、最も強力な右派保守系活動家となっていった。

2024年の大統領選挙の際は、MAGA(Make America Great Gaian)を推奨し、若者がトランプ大統領に投票する影響力になっていたと言われている。

以下は、カーク氏の訃報を受けたトランプ大統領のコメント

チャーリー・カーク氏:イスラエルの心の友と呼ばれる福音派クリスチャン

TPUSAが、強硬ともいえる右翼であったため、カーク氏の発言の中に、陰謀論的ともとれる発言(ユダヤ人が全てを支配しているとの中傷)があったことから、ADL(反名誉毀損連盟)から、キリスト教ナショナリズムだと非難されたこともあった。

しかし、カーク氏は、自分が、福音派クリスチャンで、親イスラエルの立場を明確にしており、常にイスラエルを擁護する立場にあると、ADLの指摘を否定した。

実際、カーク氏は、様々な親イスラエル団体に招かれて講演する人である。2018年にトランプ大統領が、アメリカ大使館をエルサレムへ移転させた際、ユダヤ人国家の概念を認めるトランプ大統領を賞賛する声明を出していた。

またカーク氏は、進行中のガザのハマスとの戦争においても、パレスチナ人を植えさせているという非難に対し、イスラエルを擁護する声明を出していた。

若い世代に受け入れられていることから、先月もZ世代の集会で、共和党員の間でも、イスラエル指示が低下しており、アメリカ国内で反ユダヤ主義暴力が横行していることについての話し合いを行っていた。

www.timesofisrael.com/conservative-influencer-and-israel-advocate-charlie-kirk-shot-dead-at-utah-event/

ネタニヤフ首相は、カーク氏は、「カーク氏は、真実を語り、自由を擁護したことで殺された。ライオンの心を持ったイスラエルの友だった。嘘と戦い、ユダヤ・キリスト教文明のために、高く立ち上がった人だった」とコメントした。

また、イスラエル擁護の活動家ヨセフ・ハダッド氏は、「私たちは。イスラエル国家の真の友を失った。カーク氏は、親パレスチナの人々の前に、躊躇する事なく、勇敢に立ち上がった。

イスラエル人でもユダヤ人でもないのに、ハズバラ(イスラエルを擁護すること)を実行した。今の戦争におけるハズバラの栄誉がある。カーク氏の暗殺は、アメリカにとって、またイスラエル国家にとっても暗闇の日だ。」と語った。

www.ynetnews.com/article/h1xq8a1oxg#autoplay

石のひとりごと

国のトップであるトランプ大統領とネタニヤフ首相までが、追悼のコメントを発表している。親イスラエルの福音派で、ここまで実社会に影響力があった人がいたとは知らなかった。

イスラエルを祝福するものは祝福されると聖書は言っている。カーク氏は、暗殺されたが、その栄誉という祝福をもらったのかもしれない。しかし、残された家族たちの支えのためにも祈らなければならない。

カーク氏の暗殺で、アメリカの保守派はさらに強くなっていくだろうか。それともその逆になるのか。

イスラエルを祝福しようとする福音派の戦いが始まりそうである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。