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イスラエルがシリア3都市を攻撃
8月9日(月)、イスラエル軍は、シリアの3都市、ホムス、ラタキヤ、パルミラへの空爆を実施した。
報道には上がっていないが、イスラエルは、シリアの新政権に接近しながらも、シリア領内には前政権以来の実に様々なテロ組織がいるため、危険因子となりうる勢力への攻撃を続けている。
これまでにも、攻撃はダマスカスや、クネイトラでも発生していた。
イスラエルとシリア新政権との動き

(Handout / Turkish Foreign Ministry, AFP)
前アサド政権と倒して立ち上がった今のシリアは、アフマド・アル・シャラア・シャラア暫定大統領の元で国づくりを行っている。トランプ大統領は、シリアの制裁を終わらせて、国づくりを支援している。
こうした中、イスラエルも新しいシリアに接近している。イランとの間に位置するシリアが危険な国でなくなることはイスラエルにとっても好都合だからである。
しかし、シャラア大統領は、元アルカイダであり、どこまで信用できるのか、まだまだ油断はできない。
アメリカは、今年末までに、イスラエルとシリアの間で、安全保障協定が署名できるよう、両国の間を仲介している。
アメリカと湾岸諸国が、シリアの復興を支援することを条件に、ゴラン高原シリア側の非武装化、地域でのシリア軍の復興を禁止すること、イスラエルを脅かす武器の移送の禁止、またシリア側のドルーズ族のイスラエルへの安全回廊など、様々な条件が話し合われている。
シリアのシャラア大統領も、今はまだ、イスラエルと和平を結ぶ時期ではないと言っているが、シリアに有益になることには躊躇はしないと語っている。
なお、ゴラン高原は、1967年以来、その3分の2をイスラエルが支配しており、さらに、前アサド政権に対する反乱が発生した際、ゴラン高原全体(頂点を含め、半分はシリア領だった)とその最も高い地点を制圧し、以来、軍を駐留させて付近を監視している。イスラエルがこれをシリアに返還する可能性は低く、問題になる可能性がある。
