エルサレムの国立図書館・首相官邸前で人質家族たちデモ:エスカレートの様相も 2025.9.4

Vicky and Yehuda Cohen, the parents of hostage soldier Nimrod Cohen, walk at the front of a march to the Prime Minister’s Jerusalem residence, on September 3, 2025. (Shani Tamim/Pro-Democracy Protest Movement)

9月3日(水)、人質家族たちとその支持者たちによる、「混乱の日」と命名された3日間のデモが始まった。ネタニヤフ首相と政府に、攻撃をやめ、ハマスとの交渉に応じて、人質を解放させるよう、要求するデモである。

初日には、エルサレムのネタニヤフ首相官邸前で、ビンやタイヤを燃やすデモ、また、国会に近い、国立図書館の屋上から訴える様子などが報じられていた。

しかし、その後、燃やしたタイヤが、近くの車に延焼し、ごみ収集箱も燃えて、近所の人々が一時避難する騒ぎとなった。これを受けて、ネタニヤフ首相は、デモ隊は、ファシストのように行動したと非難した。

車は小さな子どもを持つ予備役兵、ヨアブ・バル・シャイさんの車だった。ヨアブさんは、人質と人質家族の思いには理解するが、こんなことをされたら憎しみになってしまうと語っている。

www.timesofisrael.com/car-burns-near-pms-residence-as-protesters-torch-dumpsters-drawing-politicians-ire/

この翌日4日(木)、デモ隊は、クネセット(国会)から、ネタニヤフ首相官邸前まで歩いたグループや、国道1号線、431号線を封鎖したグループもいた。

デモに参加した、人質マタン・アングレストさんの母親アナットさんは、「ネタニヤフ首相が望みさえすれば、息子は秋の例祭までにも帰って来れるのに」と訴えた。「軍隊で1日も奉仕していない政治家が、決意したことで、兵士たちが死んでいる」との訴えもあった。

www.timesofisrael.com/hostages-families-supporters-march-on-netanyahus-residence-ahead-of-large-rally/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。