イスラエルは、8月28日(木)、イエメンからしつこく弾道ミサイルやドローンを発射してくるフーシ派に向けて、首都サナアの大統領府も標的にした攻撃を行った。

これまでに、この攻撃で、フーシ派国防相のモハンマド・アル・アティフ少将、軍参謀総長のムハンマド・アブ度・アル・カリム・アル・ガマリ少将が死亡したと報じられていた。ガマリ少将は、6月のイスラエルの攻撃で重傷を負ったが生き延びたと伝えられていた人物だった。
Houthi Minister of Defense, Major General Mohamed al-Atifi, and Chief of General Staff, Major General Muhammad Abd al-Karim al-Ghamari, are both believed to have been killed in today’s wave of airstrikes by the Israeli Air Force against the Yemeni capital of Sana’a in… pic.twitter.com/dUVwBu4WIB
— OSINTdefender (@sentdefender) August 29, 2025
しかしその後、フーシ派系メディアが、アフマド・アル・ラハウィ首相も死亡していたと伝えた。フーシ派は、断固戦いを継続すると表明している。
イエメンとイランに詳しいINSS(イスラエル治安研究所)のダニー・シトリノービッツ研究員によると、イエメンはアメリカからは言うまでもなく、イスラエルからも1800キロと遠いこともあり、毎日断続した攻撃が難しい。
そのため、どうしても、インフラの破壊をして経済的な打撃を与えることがほとんどだった。
しかし、イエメンが世界でも有数の貧困国であるにもかかわらず、フーシ派の背後には、イランがいるため、そうしたダメージは、すぐに回復してしまう。
そうした中、今回、イスラエルは、初めて、インフラではなく、フーシ派トップクラスの指導者の殺害に成功した可能性がある。
しかし、それもまた回復するのは時間の問題で、結局のところ、イスラエルはアメリカと湾岸諸国、また反フーシ派のイエメン軍などとも協力して、フーシ派を全部排斥するまで、解決はないとシトリノービッツ氏は語っている。
言い換えれば、この戦いは、長引く可能性があるということを覚悟しなければならないということである。
