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ウクライナとアメリカ・欧州首脳たちがホワイトハウスで会談
8月15日(金)、アラスカで行われたトランプ大統領と、プーチン大統領の会談に続いて、本日18日(月)、ホワイトハウスにおいて、トランプ大統領とゼレンスキー大統領と会談を行う。
先の米露会談の結果は、トランプ大統領が、プーチン大統領に譲歩したとの分析が優勢となっている。そうした情勢の中で、トランプ大統領は、「今戦争と止められるかどうかはゼレンスキー大統領にかかっている」と強い圧力をかけている。

ゼレンスキー大統領にとっては、穏やかならぬ事態と予想される。しかし、ゼレンスキー大統領は、今年2月にトランプ大統領と会談した際、言い争いになって決別し、後で関係改善に奔走するという苦い経験をしている。
今回は、まずは、トランプ大統領に感謝を表明するなど、同じ失敗をしないようにしていると報じられている。
こうした中、フランスのマクロン大統領、ドイツのメルツ首相、イタリアのメローニ首相、フィンランドのストゥブ大統領、NATO流って事務総長、欧州委員会のライエン委員長ホワイトハウスでのトランプ大統領と、ゼレンスキー大統領の会談に合流すると発表した。
これほどの首脳が、急な決定にもかかわらず、勢揃いしてホワイトハウスに集まるのである。今、ロシアとウクライナの間で、決められようとすることがいかに、ヨーロッパにとっても重要なことかが伺える。
トランプ大統領とゼレンスキー大統領、ヨーロッパ首脳たちとの会談は、18日午後15時(日本時間19日午前4時)から、開始される。
トランプ大統領はゼレンスキー大統領と欧州に何を提示しているのか
1)ウクライナはロシアの提案「安全保障」を受け入れるべき

これまでに明らかになったところによると、プーチン大統領は、ウクライナが東部2つの州、ドネツク州とルハンスク州をロシアに割譲し、その地域から軍が撤退するなら、ロシアはウクライナへの再攻撃はせず、その安全を保証すると提案している。
しかし、このロシアの言う「安全保障」は曲者である。ロシアは、1994年のブダペスト覚書で、アメリカ、イギリスとともに、核を放棄したウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンの安全を保証した。
しかしロシアは、2014年から2015年にかけてロシアは、ウクライナへ侵攻し、クリミア半島を制覇してしまった。その後のミンスク合意で、停戦が約束されたが、結局2022年2月、今の戦争につながる侵攻に踏み切った。ロシアが言う、安全保障は、信頼できるものではない。
加えて、今注目されている点は、トランプ大統領が、「即時停戦」ではなく、恒久的な「和平合意」を目指すと言い始めたことである。
これは言い換えれば、和平合意に至るまでは、停戦にはならないので、ロシアのウクライナへの攻撃は続くということを意味する。いつになるかはわからないわけである。東部2州をから、ウクライナへ、キーフへの侵攻もやりやすくなるとも懸念されている。
www.nikkei.com/article/DGXZQOGR163250W5A810C2000000/
さらに最新のニュースでは、トランプ大統領は東部2州に加えてクリミア半島の放棄も議題に上げているもようである。ゼレンスキー大統領が受け入れられるとは考えにくい内容である。
2)ウクライナのNATO加盟はない
BBCによると、ワシントンでの会談前に、イタリアのメローニ首相が、もしロシアがウクライナに攻撃した場合、アメリカと欧州がウクライナを支援するという、ウクライナをNATO加盟国のように扱う案を出したとのこと。
しかし、トランプ大統領は、ホワイトハウスでの会談の直前になって、ウクライナがNATOに加盟することはありえないと明言した。
www.bbc.com/japanese/articles/cdxyj452n44o
石のひとりごと
今日、明日と、ニュースはこの話題で持ちきりになるだろう。何がどうなっているのか、オリーブ山通信なりに理解しようと試み、簡単にまとめたところである。
欧米が不一致の気配になる中、ロシアは、中国や、北朝鮮、アフガニスタンとの関係を深めている。世界はまさに激動の時代を迎えている。
