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ロシアがアフガニスタンのタリバン政権を承認:その経過
アフガニスタンは、1978年に発生したクーデターの際に旧ソ連が介入。その傀儡政権を立ち上げたが、それに反発したイスラム主義勢力、ムジャヒディンが立ち上がり、1989年、旧ソ連は撤退することとなった。
その後もアフガニスタンでは内戦が続いて、国内は荒れ果てていった。そうした中でタリバンが結成され、国内秩序を取り戻そうとした。イスラム教の国、「アフガニスタン・イスラム首長国」を目指した。
しかし強硬イスラム主義政権だったので、女性蔑視や拷問などもあり、世界からは孤立。その中でアルカイダのビンラディンと繋がることになった。アルカイダは9.11でアメリカと対立。2001年にアメリカによって、崩壊したが、タリバンはアフガニスタンで生き延びた。
それから20年、アフガニスタンでは、タリバンがいる中で混乱が続き、人々は国際支援に頼らざるを得ない状況が続いた。
日本からは中村哲さんが、旱魃で苦しむアフガニスタンの人々のために、用水路の整備をしたことでも知られている。
www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/qa/2022/08/15/24509.html
アメリカは、その間、アフガニスタンに軍を駐留させていたが、2021年8月、アフガニスタンの戦争は集結したとして、混乱の中、全面撤退した。それからは、タリバンが暫定政権として立ち上がっている。
タリバンには、アルカイダとの関わりや、強硬イスラム主義組織でもあることから、世界ではまだタリバン政権を、正式な政権と認めていない。
しかし、貧しい人々がいることからか、アメリカは、アフガニスタンから撤退した後も、アフガニスタンへの代々支援国であったという。NHKの記事によると、2023年の支援額は12億7000万ドルである。
これをトランプ大統領が見逃すはずはなく、資金がタリバンに渡っているとして、2023年から、この支援を停止した。
アフガニスタンで食糧を供給していたWFP(世界食糧計画)は、現在、活動経費の40%しか保持できなくなっている。
食糧を受け取れなくなっている市民が増えており、これから冬にかけて子供の死亡率が高まると懸念されている。
こうした中、今年、ひと月ほど前の7月3日、ロシアが、正式にタリバンを暫定政権と認めるとの正式な発表を行った。タリバンを正式な政権と認めるのはロシアが最初である。
apnews.com/article/russia-afghanistan-formally-recognize-taliban-3932240270463715f0338c0812cbe5a8
ロシアは世界から制裁を受ける中で、中国や北朝鮮などとの関係を深めているが、アフガニスタンには、エネルギーをはじめとする経済に関する協力を進めるとしていた。
www.bbc.com/japanese/articles/cgmwzw48zvmo
www3.nhk.or.jp/news/html/20250817/k10014896141000.html
石のひとりごと
世界はガザが飢餓だと集中して注目し、集中してイスラエルを非難し、毎日、ガザに大変な量の食糧の箱を投下している。しかし、アフガニスタンにも政治的な理由で飢餓状態になろうとしている人々がいることには、ほとんど無関心である。
また、ロシアが過激イスラム政権タリバンを支える姿である。まさに世界は不条理であり、罪に支配される中で、世界がどんどん世界戦争へ、終わりの時へと向かっている感じがする。
