イスラエル軍のザミール参謀総長がガザ占領任務遂行を宣言 2025.8.9

IDF Chief of Staff Lt. Gen. Eyal Zamir speaks during a security assessment on August 7, 2025. (Israel Defense Forces)

昨日8月8日(金)朝、イスラエルの治安閣議は、ガザ全域を占領することで可決した。イスラエル軍のザミール参謀総長は、この方針に明確な警告と反対を表明していた。しかし、政府の方針が可決されたことを受け、「可能な限り、最善の方法で任務を遂行する」との決意を表明した。

ザミール参謀総長は、「激化する戦争の中で人質の命を守り、部隊兵たちに休養を与えながら、持久力を持久力強化する。イスラエル軍の価値観と精神に従って活動する」と語っている。

www.timesofisrael.com/idf-chief-army-will-carry-out-gaza-city-occupation-plan-in-best-possible-way/

ガザで戦闘中のイスラエル軍:支援物資投入継続中

こうした中でも、イスラエル軍は、ガザのハマス関連のトンネルやインフラの破壊、司令官の殺害を続けている。

昨日から今日にかけての24時間の間に、ガザ南部で複数のトンネルを破壊。ガザ市で反撃に使われていた建物を破壊。ガザ北部では、ベイトハヌーン大隊のムラド・アブ・ジャラド副司令官(事実上のsh0巻)を殺害した。

またイスラム聖戦対戦車ミサイル部隊司令官で、10月7日の襲撃に参加していたモハンマド・ダルダワシを殺害。この他、ロケット弾攻撃や銃撃していた戦闘員複数を殺害した。

www.timesofisrael.com/un-security-council-to-meet-saturday-on-israeli-plans-to-take-control-of-gaza-city/

この24時間の間に、UAE、ヨルダン、ドイツ、ベルギー、フランスオランダの航空機が、ガザに食料を詰め込んだ箱72個を、地図にあるように、ガザ各地に落下させた。一箱に1トン分が入っているという。

地上では、ガザ市民らが箱に殺到している。一つは建物のベランダに着地したため、人々が殺到。ベランダが崩壊する事故が発生し、子供含む6人が負傷したとのこと。

ガザ保健省(ハマス)は、この24時間で子供を含む4人が餓死し、飢餓関係での使者は201人になったと報告している。

www.timesofisrael.com/idf-chief-army-will-carry-out-gaza-city-occupation-plan-in-best-possible-way/

なぜハマスは無くならないのか:消耗戦懸念

Hamas still the force in Gaza
(Photo: REUTERS)

ハマスは、すでにシンワルはじめとするトップたちを失い、弱体化もしている。しかしなぜか今も崩壊せず、ガザで最も有力という地位を失っていない。

BBCが報じていたように、まだ給料(金と食料という実物支払い)も供給できており、新たな戦闘員も雇用できている。

Ynetは、ハマスは、いわゆる組織なのではなく、人々の間に深く染み込んでいるものだからと分析している。

ハマスは2007年にガザを掌握してから、トンネルを張り巡らすと同時に、この思想というか、システムを人々にしっかりしみこませているのである。

問題は、そのハマスの目的はイスラエル打倒であり、それがすぐに起こらなくてもかまわないという点である。

ハマスは、初期の部隊による戦闘から、ゲリラ戦を展開している。確かに弱体化はしたが、トンネルの中には、まだまだ武器や経済食料など余力も維持している。

Ynetの記事では、ハマスは、イスラエルを長期戦に引き込み、消耗させようとしているのではないかと分析している。

www.ynetnews.com/magazine/article/r1kd4amole

石のひとりごと

ネタニヤフ首相も言っていたように、イスラエルが戦っている相手はサタニック、サタンの如くに恐ろしい相手である。

これからその闇に踏み込もうとするイスラエル軍の前に、主が立って導いてくださるように祈る。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。