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フランスのマクロン大統領がパレスチナ国家承認発表すると表明
国際社会は、ガザ市民たちが餓死しているという報道を受けて、とにかく戦争を終わらせなければとの気運になっている。

イスラエルは、ガザに搬入された大量の物資を公開し、国連が物資の搬入をハマスにまかせようとして、物資が全然市民に届かない。国連とハマスこそ非難されるべきだと反論している。
こうした混乱の中、フランスのマクロン大統領が、7月24日(木)、Xに、「平和は可能だ」と述べ、9月の国連総会で、フランスは、国として正式にパレスチナ国家承認を表明すると発表した。
Consistent with its historic commitment to a just and lasting peace in the Middle East, I have decided that France will recognize the State of Palestine.
I will make this solemn announcement before the United Nations General Assembly this coming September.… pic.twitter.com/VTSVGVH41I
— Emmanuel Macron (@EmmanuelMacron) July 24, 2025
マクロン大統領は、ガザでの戦争を終わらせ、ガザ市民の悲惨な状況を改善しなければならない。

直ちに人質を解放し、ハマスの軍縮と治安の回復、再建を開始させなければならない述べ、そのためには、パレスチナ人の国家を実現する必要があるとしている。
「これは、正当なことであり、永続的な平和への歴史的コミットメンドだ」としている。
国際社会では、すでに、少なくとも142カ国が、パレスチナ国家承認を承認、もしくは承認を検討している。10月7日以降に、承認を表明した国も複数出ていた。
しかし、欧米社会で、パレスチナの国を承認する国は、フランスが初めてである。フランスは、イスラエル外在住のユダヤ人が最大数の国で、イスラム教徒も多い国である。
パレスチナ自治政府とハマスは歓迎表明
フランスの表明を受け、喜んだのはハマスだった。パレスチナ自治政府に続いて、ハマスが歓迎を表明。「これは国際社会のパレスチナ問題におけるパレスチナ人の権利への意識の高まりと、事実を歪曲する占領の失敗を表している」と表明した。
ハアレツ紙は、ハマスが、飢餓状態のガザ市民の写真などを使って、国際社会にプロパガンダを行っており、イスラエル軍をできるだけ、ガザの外へ出そうとしていると分析している。
イスラエルの反発:マクロン大統領に感謝?お返しにパレスチナ地域合併に意欲
フランスの考えの元にあるのは、パレスチナ人にイスラエルと対等に立てる自治権を持つ国がないから、中東にいつまでたっても平和が実現しないという考えである。パレスチナ人が国を持てば、イスラエルと平和に共存するはずだと考えているのである。
しかし、これは、超単純な欧米的平和思想にのみ基づく考え方であり、パレスチナ人たちが、今もイスラエルの存在そのものを認めていないということを全然考えていない。わかっていない。
ハマスたち約5000人がイスラエルに侵入して、1200人を超残忍に大虐殺し、子供多数を含む251人を拉致し、今もまだ50人を返そうとしていないという大犯罪事件を全く考慮にいれていないということである。
この大犯罪が裁かれないままで、イスラエルが、隣国パレスチナという国と、握手するとでも思っているのだろうか。

マクロン大統領のこの表明を受けて、ネタニヤフ首相は、「マクロン大統領は、10月7日虐殺の後でその犯罪者の国をテルアビブ(イスラエル)の隣国に認めると言っている。
パレスチナの国は、ガザにまたイラン傀儡を生み出すことを意味する。それは、イスラエルを殲滅するための国であり、イスラエルの隣で平和に暮らす国にはならない。」を反発。
「はっきり言っておくが、パレスチナ人は、イスラエルと並ぶ国を求めているのではない。イスラエルに取って代わる国を求めているのだ」と述べた。
イスラエルは、これまで、パレスチナを国と認めた国には、なんらかの制裁を行なっていたという。フランスについて、最も相応しい制裁として、パレスチナ人が国として取り入れたいと言っている地域を合併するのはどうかという意見を出す議員が出ている。
強硬右派宗教シオニストのスモトリッチ経済相は、「マクロン大統領に感謝する。イスラエルにとって歴史的な領地であったユダヤ・サマリア地区(西岸地区)を合併し、恒久的に支配しなければならないという、また一つの理由を与えてくれた」と表明した。
レビン法務相も、西岸地区の合併こそが、フランスの大統領の恥ずべき決定に対する正しい反応だと述べた。このほかにも、閣僚や議員たちが次々に同様の意志表明をしている。
イスラエルの国会は7月23日、マクロン大統領が、パレスチナ国家を承認すると表明する前日、西岸地区の合併について決議を行い、賛成71、反対13と、これを認める決議を出したところだった。
www.timesofisrael.com/knesset-votes-71-13-for-non-binding-motion-calling-to-annex-west-bank/
アメリカのルビオ国務長官:10月7日犠牲者に平手打ちだと批判
マクロン大統領の意思表明が出ると、アメリカのルビオ国務長官は、「無謀な決断は、ハマスのプロパガンダを助長することになると批判。また、10月7日の犠牲者に平手打ちしたようなものだ」と表明した。
するとマクロン大統領の顧問は、「もしパレスチナ人の国があったなら、10月7日に様な事件は起こらなかったのだ」と反論した。
石のひとりごと
マクロン大統領の今この時期でのこの発言。聞いた時には腹立ちしかなかった。ハマスが国際犯罪のテロ組織であり、イスラエル人に働いた大犯罪をさばくことなく、国を与えるという。まさにテロへの褒美である。
戦争が終わらないのは、ハマスが人質を解放せず、武器を置いて出て行かないからである。それが実現すれば、戦争はすぐにも終るのである。
マクロン大統領にその気はなかったのか、あったのかはわからないが、要は、イスラエルの存在自体が悪だとするパレスチナ人の原理を後押しすることになったのである。
また、マクロン大統領のこの意志表明は、ちょうどイスラエルとハマスの停戦、人質交渉が停滞している最中で出された。タイミングも最悪だった。
イスラエルは、今、ガザで最大限の圧力をハマスにかけることで、できるだけ早く、より有利な結果をだして、停戦に持ち込もうとしていた。
しかし、マクロン大統領のこの表明は、それを台無しにした。国際社会を味方につけたハマスは自信を持つことになり、ガザでの戦争は、長引くかもしれない。
また逆にイスラエルの強硬右派からは、反発を買ったことで、西岸地区併合という新たな問題への移行を開くことになった。結果が見えないガザ情勢。さらにカオスに導いたようである。
しかし、それでも全ての支配者である主は、どんなパズルも解ける、さらによいところへ導くことができる。この主に、イスラエルに恵みを置き続けてくださる様に祈る。
なぜ、おまえは悪を誇るのか。勇士よ。神の恵みは、いつも、あるのだ。欺く者よ。おまえの舌は破滅を図っている。さながら鋭い刃物のようだ。おまえは、善よりも悪を、義を語るよりも偽りを愛している。セラ
欺きの舌よ。おまえはあらゆるごまかしのことばを愛している。それゆえ、神はおまえを全く打ち砕き、打ち倒し、おまえを幕屋から引き抜かれる。正しい者らは見て、恐れ、彼を笑う。
「見よ。彼こそは、神を力とせず、おのれの豊かな富にたより、おのれの悪に強がる。」しかし、この私は、神の家にあるおい茂るオリーブの木のようだ。私は、世々限りなく、神の恵みに拠り頼む。
私は、とこしえまでも、あなたに感謝します。あなたが、こうしてくださったのですから。私はあなたの聖徒たちの前で、いつくしみ深いあなたの御名を待ち望みます。(詩篇52)
