イスラエル政府とクリスチャンの関係に影を落としていると言われ始めている、福音派の在イスラエル米大使のマイク・ハッカビー氏。
イスラエル政府に対し、福音派たちへのビザの出し渋りに強い警告を発して注目されたのに続いて、7月19日(土)、強硬右派ユダヤ人入植者の襲撃を受けている、西岸地区のパレスチナ人クリスチャン居住地、タイベを訪問。ギリシャ正教の聖職者たちと面会した。
タイベでは、先月から今月にかけて、過激右派ユダヤ人入植者たちの嫌がらせや、教会が放火されるなどの攻撃が続いていた。しかし、イスラエルの警察は、ほとんど対処していなかったという。
以下は歴史的に重要なタイべの教会が放火された時の様子。聖職者は、イスラエル政府は結局、パレスチナ人を追い出して、地域を占領しようとしていると語っている。

このため、14日(月)、エルサレムで最上級とされるキリスト教聖職者、カトリックのテオフィロス3世総主教と、ギリシャ正教のピエルバティスタ総主教が、タイベの放火現場を訪問。
現地から、共同で、「イスラエルの警察が、緊急要請になぜ応じなかったのか。なぜ、こうした行為が処罰されないのか。即時、調査を求める」との声明を出していたのであった。
しかし、その後も警察は何もしていなかった。(警察を統括は極右のベン・グヴィル氏)
その後、ガザのカトリック教会が、イスラエル軍の攻撃で被災し、3人の死者を出したため、この同じ聖職者2人が、ガザを訪問したところであった。
ハッカビー氏は、こうした流れの中で、タイベを訪問。自分は、イスラエルに住むすべてのアメリカ人(ユダヤ教徒、クリスチャン、イスラム教徒)のために働く者だと述べ、その人々がテロや犯罪の被害に遭っていることに対処する立場にあるとして、過激入植者の行為をテロ行為と非難し、加害者への厳しい対応を要求すると述べた。
また、19日(土)、Xに、「教会、モスク、シナゴーグへの冒涜は、人間と神への冒涜だ」と書き込んでいた。
またハッカビー氏は、イスラエル政府が、この地域に十分な治安部隊を配備していないことにも批判を表明した。
ハッカビー氏は、福音派でイスラエル指示を表明している人物である。しかし、こうした動きが続く中、イスラエルのメディアは、逆にイスラエルとキリスト教との溝が深まっているとの懸念を表明している。
石のひとりごと
極右ユダヤ人たちの暴力は、確かにエスカレートしている。ハッカビー氏が非難することに間違いはない。非難すべきともいえる。
しかし、それが、イスラエルとクリスチャンの関係を悪化させることにもなっていくのである。サタンの策略だろうか。
クリスチャンとして、どう祈るのか。ガザ出身のパレスチナ人クリスチャンで、イスラエルとパレスチナの平和を推進しようとしているカリル・サヤグ氏は、結局は、平和を祈ることだと言っていた。
