続くガザ激戦イスラエルのガザ攻撃150か所:双方にとって悲惨で膨大な喪失 2025.7.4

IDF operating in the Gaza Strip, July 1, 2025. (photo credit: IDF SPOKESMAN’S UNIT)

交渉が進む中だが、現地ガザでは、イスラエルの激しい攻撃が続いている。こうした攻撃は、進行中の交渉に圧力をかける結果にもなっているとみられているが、イスラエル軍でも戦死者が続いており、その悲惨さは、双方にこの戦争を終わらせる必要性を投げかけている。

昨日も150ヶ所攻撃:29人死亡・病院長死亡

イスラエル軍は、一昨日、140か所への攻撃を行なっていたが、続く昨日は、24時間で150か所への攻撃を行なっていた。ハマスによると、29人が死亡した。

イスラエルは攻撃前に警告を発しているが、これだけの攻撃の中なので、市民の巻き添えは避けられきれるものではない。

BBCなどによると、7月2日の攻撃で、ガザ市にあるインドネシア病院のマルワン・スルタン病院長が、家族数人とともに死亡したとのこと。

www.bbc.com/japanese/articles/c5y0k8dglnxo

IDF

一方、イスラエルでも考えられないような報告があった。先週、ガザでイスラエル軍の戦車に爆弾が投げ入れられ、イスラエル兵7人が死亡したが、戦車の脱出扉に不備があったのに、そのままにしていたことが原因であった考えられると、イスラエル軍が自ら発表したのである。家族たちは怒り狂っている。

www.timesofisrael.com/idf-vehicle-in-deadly-hamas-attack-had-critical-defects-94-gazans-said-killed/

IDF

また先ほど入ったニュースだが、7月4日(金)朝に、ガザ北部、ベイト・ハヌーンで、戦闘工兵隊の車両が、何らかの穴に墜落し、近くにいたもう一台も巻き添えにするという事故が発生した。

これにより、巻き添えになった方の車両に乗っていた、ヤイール・エリヤフ軍曹(19)が死亡した。事故については検証が進められている。

www.israelnationalnews.com/news/411132

石のひとりごと

戦争がもたらす悲惨さ、その喪失の大きさは、ただもう関係する人々すべてに及んでいる。これほど愚かな喪失はない。早く終わらせなければならない。もうそれしかない。

こうした様子を、今、交渉にあたっている双方の担当者たちはどう見ているのだろうか。

トランプ大統領は、殺し合いである戦争は終わらせないといけないと常々語っている。ハマスとの停戦も最善の形での停戦になるよう、主の導きを祈るのみである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。