米参戦後イランがイスラエルに1500キロ弾頭長距離ミサイルなど30発:着弾で86人負傷 2025.6.22

Emergency response teams rescue children from Iranian missile impact site in Haifa (Photo: AP Photo/Baz Ratner)

6月22日早朝にアメリカが、イランの核施設をバンカーバスターで破壊して参戦して以来、イランのイスラエルへの本格的な攻撃が始まり、イスラエルも反撃。戦争がエスカレートする様相にある。

イランが1500キロ弾頭ミサイルなど30発以上発射

アメリカに核施設を破壊されたイランは、合法的に自衛権を行使すると述べ、22日(日)朝8時前(日本時間午後14時前)から、イスラエルに向けて、断続的に30発以上のミサイルを発射。10か所に着弾して、大規模な被害を及ぼしている。

イラン軍は、この反撃作戦を、The twentieth wave of Operation Honest Promise 3(正直な約束3の第20波?)と名づけており、通常の弾道ミサイルに加えて、壊滅的な弾頭を装着した長距離液体燃料ミサイル、固体燃料ミサイルが含まれていた。

(Iranian Defense Ministry via AP)

使われたミサイルは、ホラムシャハル4と呼ばれるミサイルで、1500キロもの弾頭をつけて2000キロまで到達する。イスラエルにも到達するということである。(写真左)

このミサイルは、また、「ハイバル」とも呼ばれており、7世紀に、サウジアラビアでユダヤ人たちを、立ち上がったばかりのイスラム教徒が、勝利した場所の名前である。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/iran-claims-it-fired-largest-missile-yet-with-1500-kilogram-warhead-in-latest-barrage/

イスラエルに膨大な被害:10か所着弾・86人負傷

イスラエル軍は、アメリカの攻撃の直後に、イスラエル市民に防衛を最強レベルに戻すよう、指示していた。

予想されていた通り、大量のミサイルが発射され、エルサレムや西岸地区を含め、北部、ガリラヤ地方、中部でサイレンがしばらくなり続けた。迎撃ミサイルが奮闘していたが、少なくとも10発が着弾した。

1発はテルアビブ市街地に着弾。アパート2つが完全に破壊されるという膨大な破壊となっている。

ここでは13人が負傷(軽傷)。さらにもう1発がテルアビブ近郊ネスチオネに着弾。6人が負傷した。

エルサレムとテルアビブをつなぐ431号線でも1人が中等度の負傷。ベン・グリオン空港の近くにある生物学研究センターにも着弾していた。

またハイファでは、迎撃ミサイルが誤作動して着弾した可能性があると発表されている。

イスラエル保健省が、10時半(日本時間16:30)に発表したところによると、負傷者は計86人。2人が中等度負傷。77人は軽傷。4人が急逝不安に陥っている。

www.timesofisrael.com/liveblog-june-22-2025/

イスラエルからの反撃

イランからの激しい攻撃を受け、イスラエル軍もイランへ戦闘機を発進させ、戦闘機F52機、弾道ミサイル施設8か所を攻撃・破壊した。このうち6か所は、今朝イスラエルにミサイルを打ち込んだ施設だった。

双方の攻撃の応酬はエスカレートしそうな様相である。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/idf-says-it-destroyed-2-iranian-fighter-jets-8-ballistic-missile-launchers-among-dozens-of-targets/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。