緊急:IDFテヘラン攻撃本格化で脱出する市民大渋滞:G7から急遽帰国トランプ大統領はどう出る? 2025.6.17 12:00

Israeli Air Force (Photo: Israeli Air Force)

イスラエル軍は6月15日(日)、イランの首都テヘランにある核施設、軍事施設、政府関連施設など80ヶ所への攻撃を行った。続いてイラン国営放送を攻撃・破壊した。

ネタニヤフ首相は、イラン最高指導者ハメネイ師の暗殺も否定しないとしており、攻撃続けるとして、テヘラン市民に避難警告を発している。脱出する人々の渋滞が本格化している。

こうした中、カナダで16日(月)に始まったG7に出席していたトランプ大統領が、中東情勢が緊迫化しているとして、急遽帰国の途についた。テヘランの人々はすぐにも脱出すべきだと言っている。

アメリカが今後、どう出てくるのか注目されている。

イランのミサイル発射施設1/3破壊・テヘラン上空支配下とIDF

6月16日(月)、イスラエル軍のデフィリン報道官は、イランのミサイル発射施設1/3破壊を破壊したと発表した。

イランは、弾道ミサイル数百発を、一度に発射していると主張しているが、多くはイスラエル空軍が、発射する前の時点で破壊しており、実際に発射しているのは、30-60発とのこと。

しかし、高速の弾道ミサイルなので、その半分ぐらいは迎撃をすり抜けて、イスラエル市内に着弾したということである。

またデフリン報道官は、イランの首都テヘラン上空までの空域を支配下に置いたと発表。テヘランの空港で戦闘機を破壊する映像も合わせて発表し、それが事実であることを発信もしている。

テヘランへの本格的攻撃開始:イラン国営放送局を破壊

テヘラン上空を制圧したイスラエル軍は、16日(月)に核施設(地上)、軍事施設、政府関連施設など80ヶ所への攻撃を行った。

その後、イラン国営放送の放送局を攻撃・破壊した。攻撃は放送中だったため、暗くなった画面の向こうで「アラー・アクバル」と叫ぶ声が聞こえている。

イスラエルは、イランのイスラエル攻撃能力と核兵器開発能力を完全に壊滅することを目的として、今の攻撃を進めており、2―3週間続くと見ている。

では、イランの核能力を壊滅することは可能なのかということだが、イランの核地下施設は、アメリカが参戦しない限り、イスラエルだけでは破壊し尽くすことは不可能である。

このため、イランをぎりぎりまで追い詰めて、核兵器開発をしないという確約をめざすとみられている。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/official-says-israels-operation-in-iran-expected-to-last-2-3-weeks-end-goal-is-tight-nuclear-agreement/

しかし、今トランプ大統領が、イスラエルに協力するかも?といった動きにあり、これが変わるかもしれない。世界中がアメリカがどう出るのか注目している。

トランプ大統領がG7から帰国:テヘランから市民に脱出呼びかけ

on June 16, 2025. (Ludovic MARIN / POOL / AFP)

この緊張の中、カナダでは、16日(月)から、G7が始まっており、トランプ大統領も出席していた。しかし、到着したその夜のうちに、トランプ大統領は、“中東情勢が緊張している”として、急遽帰国した。

トランプ大統領は、イラン政権が、交渉に応じないと決めたことが今のエスカレートの原因だと述べ、テヘラン市在住の市民たちは、直ちに避難するよう呼びかけた。

www.timesofisrael.com/trump-urges-everyone-to-flee-tehran-sparking-speculation-of-widening-conflict/

トランプ大統領は、帰国後、ただちに、国家治安閣議を開催するとして、関係者を招集している。

しかし、トランプ大統領が、イスラエルに協力して、イランの地下核施設を破壊しようとしているのか、はたまた、この危機を利用して、イランに核開発を止めるようにと交渉を持ちかけるのか、まだ明らかではない。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/trump-requests-national-security-council-meet-him-in-the-situation-room/

イランからの反応:抗戦継続を表明・続く弾道ミサイル

イラン政権は、軍とIRGC(イラン革命防衛隊)の指導者らのほとんどを失い、かつ、ミサイル関連施設とミサイルの3分の1を失っている。その上、テヘラン上空は裸状態である。

しかし、イランは、これからも断続的なイスラエル攻撃を続けると表明。16日(月)夜から17日(火)早朝にかけて、発射警告、続いてミサイル到達警告の後、北部ハイファからテルアビブにかけての地域で、サイレンが鳴り続けた。

しかし、着弾は認められず、朝5時ごろまでには、市民たちにシェルターから出てもよいとの指示が出されている。

テヘランを脱出するイラン市民大渋滞:イスラエルから脱出する中国人

イスラエル軍は、すでにテヘラン住民に避難するよう警告を出している。テヘランからはすでに、脱出する人々の車で大渋滞である。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/as-masses-appear-to-flee-tehran-police-blame-traffic-on-lemons-breaking-down/

一方で、逆に、イスラエルから脱出する人もいる。中国大使館は、イスラエルに在住する中国市民に対し、治安情勢が悪化しているとして、できるだけ早く、イスラエルを脱出するよう指示を出した。飛行機は飛んでないので、陸路で隣国へということなのだろう。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/chinese-embassy-in-israel-urges-its-citizens-to-leave-via-land-crossings/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。