15か月以上も暗闇に閉じ込められていた人質を、保護するにあたり、イスラエル軍、保健省、病院などが、どのように受け入れるかの準備を行っている。
2023年11月に105人の人質が解放されたが、その時は、拉致から50日後であった。今回は466日後であるため、状況は全然違うと予想されている。
あまりにも長い間地獄に置かれていた状況なので、前回11月の一回目の解放の時のような家族との感動の再会は期待できないとも言われている。
医療的な視点では、人質たちは、感染症に罹患している可能性がある。また、どんな食生活であったかもわからず、再摂食症候群と呼ばれる状態になっている可能性がある。体がまともな食事を受け付けないために死に至る状態である。
人質フォーラムの保険チームを率いるハガイ・レヴィン氏は、トンネル内の換気不足から、人質たちが心血管系、呼吸器系の疾患を抱えている他、ビタミン欠乏、飢餓、体重減少、認知障害、メンタルのトラウマがあると予想している。
最も懸念されるのは、女性の人質で、性的な残虐行為下にあったことから、性感染症や、妊娠に関する検査も行わなければならない。
こうしたことから、解放された人質はまず4日間入院する。ガザに近い6つの病院が受け入れ準備を進めている。面会は最小限で、退院後もすぐに自宅に戻れないケースも予想され、準備がなされているという。
また、生きていないことが明らかになった家族や、今回解放されなかった人質家族へのケアへの配慮も必要と言われている。
情報がSNSなどでむやみに広がることが、回復を妨げる可能性があると注意が呼びかけられている。政府プレスオフィスは、メディアに対し、中継やビデオ、写真などの提供を行うとの知らせが入っている。
石のひとりごと
日本の一般のテレビ報道を見ていると、ようやくイスラエルが停戦に合意し、ガザが解放されるというイメージばかりが報じられている。イスラエル人たちがこれほどの苦悩を通っていることは、いっさい報じられていない。
また、停戦が決まって大喜びしているガザの人々を見ると、どこが飢餓かというほどに、力強く元気満々の人々が見える。ガザで餓死しそうな人がいると報じる、これまでの映像と実に対照的だ。この人々は、十分食べていたのではないかと思わされる。この人々は、近くで餓死しそうな人々を助けてこなかったのだろうか。
国際社会は、イスラエルが、物資を阻害しているので、ガザの飢餓状態の責任だと非難してきたが、イスラエルはその手配は十分にしている。それを略奪し、自分は元気を保ちながら、高い値段で転売しているために、飢餓状態に陥っている人がいることも知るべきである。
イスラエルが戦っているのは、罪なきガザ市民ではない。戦っているのは、国民1200人を非道な残虐性で殺害し、251人を連れ去って、非道な虐待をしていた極悪犯罪のテロ組織である。それが理解されない方がどうにもおかしな話である。
今、停戦と同時に、そうしたテロリストたちの多くが、世界に放たれるということを、日本も世界も知るべきである。