アメリカとイスラエルが同時にイエメンのフーシ派を攻撃:カッツ防衛相が倍返し警告 2025.1.11

IAF F-16I fighter jets prepare to take off from the Ramon Airbase in southern Israel for strikes against the Houthis in Yemen, January 10, 2025. (Israel Defense Forces)

しつこいイエメンからの攻撃

イエメンのフーシ派は、約1週間を経て、1月9日(木)夜、イスラエルに向けてドローン計3機を発射した。最初のドローンは、イスラエル軍のヘリコプターが、会場で撃墜して、被害はなかったが、国内から市民が見えるところにまでせまっていた。

米英軍とイスラエルのフーシ派への攻撃

この翌日10日(金)、米英軍が、イエメンのフーシ派への攻撃を実施した。

この日、イエメンの首都、サナアでは、イスラムの金曜の祈りの後、膨大な大群衆が、イエメン、イラン、ヒズボラなどの旗を振りながら、攻撃を続けるアメリカと、イギリス、ガザへの攻撃を続けるイスラエルへの反発を叫んだ。

その上空へイスラエル軍戦闘機20機が到来し、首都サナアに近い主要な港、ホデイダ港を空爆してほぼ無力化した他、アル・イサ港と、サナアの主要な発電所も空爆して破壊していった。爆撃は50発と伝えられている。

イスラエルからイエメンへは、2000キロあるが、戦闘機に空輸機も同伴して、空中での空輸も可能になっている。もはや距離は問題ではないということである。米英軍の攻撃と同時攻撃だったが、イスラエル軍は、共同作戦ではなかったと言っている。

イスラエル軍によると、ガザでの戦争が始まってから、フーシ派が、イスラエルに向けて発射したドローンは320機、弾道ミサイルは40発にのぼっている。

そのほとんどは迎撃されたが、昨年12月に弾道ミサイルがテルビブの学校に着弾。ドローンが着弾して死傷者が出たケースが2件あった。

www.timesofisrael.com/army-says-trio-of-suspected-houthi-drones-downed-ending-short-lived-lull/

カッツ防衛相がフーシ派指導者に倍返しを警告

Defense Minister Israel Katz(Screen capture/Elad Malka/Defense Ministry)

イスラエル軍はこれまでからも、何回か同様の攻撃を行ってきたが、今回の攻撃の後、カッツ防衛相は、映像つきで、イエメンのテロ組織、フーシ派の指導者、アブデル・マリク・アル・フーシへ直接のメッセージを表明した。

カッツ防衛相は、イスラエルに反発するデモに参加していた人々は、上空を飛ぶイスラエル空軍を見ただろうと述べ、イスラエルはどこへでも、だれにでも攻撃すると述べた。またイスラエルを攻撃する者には、倍の仕返しをすると、文字通り倍返しを警告した。

しかし、フーシ派の背後にはイランがおり、フーシ派は、国が攻撃されることにそれほど痛みを感じていない様子もある。Ynetは、逆にフーシ派の反撃を懸念するとしている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。