ヒズボラと攻撃応酬:人気歴史家とイスラエル兵1人死亡・ナハリヤで3人目死亡 2024.11.22

Israeli researcher Ze'ev Erlich seen in IDF uniform on November 20, 2024, hours before he was killed in a gun battle with Hezbollah operatives. (IDF Spokesman)

ヒズボラとイスラエルの停戦が進んでいるとはいえ、現地ではその逆の様相にある。イスラエルはヒズボラへの攻撃をエスカレートさせている。

一方、ヒズボラの攻撃では、イスラエル市民にも死者が続いている。

イスラエル軍の対ヒズボラ攻撃:シリアにも

イスラエルは、レバノンでのヒスボラ勢力の崩壊に向けて、攻撃を続けている。ベイルート南部に続いて、港に近いタイヤ、また、今またレバノン南部3か所にまた避難警告を出しており、攻撃を続けるとみられる。

シリアでは、イランからヒズボラへの軍備の移送を妨害するため、ダマスカスや国境での攻撃が続けられている。21日(木)、パルミラへ、激しい空爆があり、ヒズボラ含む親イラン民兵など、36人が死亡。50人が負傷しているとの報道が出ている。

レバノン南部でイスラエル人歴史家とイスラエル兵死亡

11月20日(水)、有名なアマチュア歴史家でガイドでもあるゼエブ・エーリッヒさん(71)が、イスラエル軍関係者とともに北部国境を越え、レバノン南西部に入ったところで、ヒズボラの銃撃に会い、死亡した。

Sgt. First Class (res.) Roi Sasson, (IDF)

本来、許可がおりる場所ではないが、ゴラニ部隊第13大隊の参謀長、ヨアブ・ヤロム大佐が、特別に非公式に許可したのか、エーリッヒさんは、軍服を着て武器も所持する状態で、ヤロム大佐と、グル・ケハティ軍曹(20)などとともに国境を超えていた。

その後、ヒズボラ戦闘員2人と遭遇して銃撃戦となり、エーリッヒさんと、ケハティ軍曹が死亡。ヤロム大佐は、中等度の負傷。また戦闘で中隊長も重傷となった。

Sgt. First Class (res.) Eitan Ben Ami IDF

エーリッヒさんは、西岸地区在住でアマチュアながら、多数の歴史に関する本を出しており、人気もあったようである。

この日は、新約聖書に出てくる熱心党シモンが埋葬されていると考えられる古代遺跡を調査しに入っていた。エーリッヒさんは、死後、予備役少佐として、戦死者に加えられたとのこと。

またこの日には、別の戦闘で、エイタン・ベン・アミ軍曹(22)も戦死していた。

ヒズボラのロケット弾で市民3人目死亡:ナハリヤ

一方、イスラエルでは、ロケット弾の雨が続いている。21日(木)午前中、イスラエル北部へ発射された25発のうち、10発がナハリヤに到達し、全部迎撃できず、3発は着弾していた。

この攻撃の際、サイレンで低い壁に身を避けていたブレーン・ディレクトルさん(27)が死亡。女性2人が軽傷を負った。

ナハリヤでは先週も男性2人が、サイレンでシェルターに駆け込んでいる途中で死亡しており、3人目の死者を出したことになる。

ハイファ周辺では、22日深夜にもサイレンが鳴って、夜中に起こされて、シェルターに駆け込んだことと思う。

www.timesofisrael.com/man-killed-in-nahariya-rocket-barrage-as-us-envoy-meets-for-truce-talks-in-jerusalem/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。