カッツ新防衛相がイラン核施設攻撃可能性示唆:イラン市民へネタニヤフ首相メッセージ 2024.11.13

Defense Minister Israel Katz (right) meets with IDF Chief of Staff Lt. Gen. Herzi Halevi (left) and members of the General Staff Forum at the Defense Ministry, November 11, 2024. (Ariel Hermoni/ Defense Ministry)

イランのイスラエル攻撃はどうなった?:テヘランに地下施設建設の情報

Tehran, Iran, October 27, 2024. (Office of the Iranian Supreme Leader via AP)

イランはイスラエルへの攻撃を行うと宣言したが、今に至るまで攻撃はしていない。

イランの半国営放送が伝えたとしてYnetが伝えたところによると、イランは、テヘランに地下防衛システムを建設しているとのこと。

建設しているのは、市中心地にある地下鉄駅と、イマーム・ホメイニ病院を繋ぐトンネルで、前回のイスラエルの攻撃から、負傷者を効果的に病院へ搬送する必要に備えたものとみられる。

つまり、次の攻撃に備えたとも考えられる。同メディアによると、防衛目的で、イランが地下にこのような施設を建設するのは、初めてとのこと。

www.ynetnews.com/article/hyrggilmjx

カッツ防衛相がイラン核施設無防備を指摘:核施設への攻撃も示唆

11月11日(月)、イスラエルで新しく防衛相に就任したイスラエル・カッツ氏は、イスラエル軍参謀本部での初会合で、先月のイスラエルのイラン本土への攻撃により、イランの核施設がこれまでになく無防備になっているとして、今、イスラエルに迫る絶滅の脅威を取り除く可能性があると語った。核施設への攻撃も示唆した形である。

イランはウランの濃縮を進めており、まもなく核兵器を保有する段階に入っているとみられている。10月26日にイラン本土を攻撃した際、イスラエルが、核施設への攻撃も示唆していたが、アメリカからの要請もあり、これを差し控えていた。

しかし、その防空システムには、かなりの打撃を与えていた。もし次回、核施設を攻撃するとしたら、今がチャンスということである。

新しく外相に就任したギドン・サル氏は、「イスラエルと地域の安全保障のためには、イランが核保有国になることを阻止しなければならない」と語っている。

また次期アメリカ大統領のトランプ氏は、前期ではイスラエルのこの考えの同意していた。近い将来、本当にイスラエルがイランの核軍事施設への攻撃に踏み切る可能性が現実味を帯び始めている。

なお、イスラエルは、1981年にイラクの核施設を攻撃し、イラクの核保有を阻止したことがある。(バビロン作戦)

www.timesofisrael.com/katz-iran-nuclear-facilities-more-exposed-than-ever-following-israeli-strikes/

ネタニヤフ首相からイラン市民に警告:次回の攻撃でイラン経済は麻痺する

11月12日(火)、ネタニヤフ首相は、イラン国民に対するビデオメッセージで、「イランの次の攻撃は、イランの経済を麻痺させるだけだ」と述べた。ネタニヤフ首相が、イラン国民に向けたメッセージを発するのは、これが2回目となる。

ネタニヤフ首相によると、数週間前のメッセージは数百万人が視聴し、多くのイラン人が、イスラエルにコンタクトしてきたとのこと。

ネタニヤフ首相は、10月に、イスラエルに向けて発したミサイル類のコストは23億ドルだと主張。その資金は、イラン人の皆さんのため、国内の交通や教育に使われるべきものだ。イランは自由な国であるべきだと語った。

またネタニヤフ首相は、水不足に悩むイランに対し、解決にむけた支援を示唆した。しかし、ハメネイ師は、イスラエルを破壊することに資金を使っている。なんと残念なことか。

もし次回、イスラエルを攻撃したら、何十億ドルが無駄になる。イラン経済は麻痺するだろうと警告した。

みなさんはこんな戦争は嫌だと思うし、私もしたくない。イスラエルの国民もこんな戦争は望んでいない。唯一の敵はただテヘランの現政権だ。

今、テヘランの政権は、国内情勢に対処しなければならず、日々弱体化している。一方、イスラエルは強くなっていると述べ、協力してともに、将来の平和と繁栄を築いていこうと呼びかけた。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。