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イラン市民はイスラエルの攻撃を歓迎の声も
イランは今、ジレンマに陥っているとみられている。イスラエルに報復攻撃すれば、イランにさらに大きな損害をもたらすが、報復しなければ、国内外にその弱さを証明することになってしまう。
イラン国内は、すでに大きな経済問題に直面しており、現政権への批判が高まっている。前の強硬イスラム派のライシ大統領がヘリコプター事故で死亡した後、今の穏健派と目されるペゼシュキアン大統領に交代させたのは、国内世論の目をそらすためだったのではないかとの分析もある。
*イラン市民の知人は、ペゼシュキアン大統領は穏健派ではなく、ライシ大統領より恐ろしいと言っていた。
先日、イラン人の知人から、多くのイラン市民が、今のイスラム政権に反発しており、イスラエルによるイラン軍事施設攻撃を歓迎しているとお伝えしたが、I24がその現状を伝えている。
たとえば、野党のインスタでは、イスラエル軍のチャンネルが750万回見られた上、何千ものLikesが投稿されていた。
それらの投稿では、イスラエルの政権への攻撃を歓迎する一方、十分ではなかったとの声まであったという。
イスラエルを非難する欧米の人々とは逆の反応だが、欧米社会は、今のイラン政権がいかに恐ろしいものかを理解していないのだろうと解説されている。
イランのイスラム最高指導者アヤトラ・ハメネイ師(85)は末期癌
さらに大きな問題は、イランのイスラム最高指導者アヤトラ・ハメネイ師が、85歳と高齢であることに加え、末期癌であるとNYTが報じた。よりにもよって、記事は、イスラエルがイランを攻撃した日の朝に出されていた。
www.nytimes.com/2024/10/26/world/middleeast/iran-israel-retaliation.html
ハメネイ師は、1989年にイスラム革命の指導者であったホメイニ師の後を継いで、30年以上、イスラム最高指導者として、イランを導いてきた。後継者には、次男モジダバ氏になるとみられているが、混乱がある可能性もある。
イスラエルが今回、20年来のイラン攻撃計画を実施した背景には、こうした情勢とともに、イランがいよいよ核兵器に到達する可能性もあったのではないかとも言われている。