ヒズボラのロケット弾でイスラエル人重傷:イスラエル軍地上戦間近か 2024.9.26

IDF Chief of Staff Lt. Gen. Herzi Halevi speaks with officers and soldiers during a drill in northern Israel, September 25, 2024. (Israel Defense Forces)

24日、ヒズボラが、テルアビブへ地対地ミサイル発射に至ったが、イスラエルは迎撃し、被害は出なかった。

その後も、イスラエル軍は、ヒズボラの武器がある家々への攻撃を続け、ヒズボラはイスラエル領内へのロケット弾による攻撃を続けるという戦闘状態が続いている。

これまでのところ、イスラエルはほぼすべて迎撃し、負傷者出ていなかったが、24日、イスラエル人が危篤になるほどの重傷を負った。イスラエル軍は、いよいよ地上戦に入る動きに出ている。

ヒズボラロケット弾着弾で負傷者と家屋損害発生

25日午後、ヒズボラは、ハイファ含む地域にロケット弾30発を発射した。この中で、ナハリヤに近い、キブツ・サルに1発が撃墜。男性2人が負傷した。1人(35)が重傷で危篤状態になっている。もう一人(52)も中等度の負傷とのこと。

今回、負傷した男性たちは、シェルター室がない家の修理の作業をしていたため、サイレンを聞いて、急ぎ近くのシェルターに走ったが、その途中で、爆弾の破片に当たっていた。

キブツ・サルは、国境から7キロしか離れていないが、避難指示地域すれすれで住民たちは避難していない。国境から近いせいか、今回、キブツの人たちは、着弾音が聞こえてからサイレンが鳴ったと言っているほど、逃げる時間がなかったようである。住民の間で恐怖が広がっている。

その後、ロケット弾を40発近くがツファットに向けて発射され、一発が家屋を直撃して大破したが、こちらは負傷者はなかった。いったいどこに向けては発射され、住民がいる地域のどこに向かっているのかわからないという、心理的なダメージは多いというのが、ヒズボラの攻撃である。

www.timesofisrael.com/that-could-have-been-us-say-kibbutz-saar-residents-after-direct-rocket-hit-on-house/

以下は突然、道路上に着弾するヒズボラのロケット弾

またヒズボラは、24日にテルアビブに向けて発射したミサイルは、弾頭500キロで、射程距離は190キロだったと発表した。

今回は、迎撃できたが、ヒズボラは、これからもこのようなミサイルが、どんどん発射される可能性を示唆して、イスラエル市民に心理的な圧力をかけようとしているとみられる。

北部IDF司令官オリ・ゴーディン少将とハレヴィ参謀総長が地上戦準備を示唆

先週の通信機材の爆発で、死亡したか動けなくなっているヒズボラメンバーは1500人に及ぶとの推測が出ている。また空軍の攻撃は、24日だけで280か所(諜報機関拠点60か所含む)で、かなりの数のロケット弾やミサイルが破壊されたとみられる。

昨日の攻撃での死者は15人とレバノン保健省は発表している。

しかし、本当に国境住民が安心して帰宅するためには、地上軍がレバノン側に入って、周辺を一掃し、確かにその後もヒズボラがそこにいない状態を維持することが必須である。

イスラエルとレバノンの国境では、すでに北部部隊が、地上軍の侵攻作戦をシミュレートした準備と訓練を終えている。加えて、24日、新たに予備役兵を招集。その2部隊が北部国境に配備された。

IDF

24日、その総長であるオリ・ゴールデン少将が、その部隊を訪問。

「我々は作戦の次の段階に入った。状況を変えるために、強力な方策(地上戦)に出る準備をしなければならないと語り、いよいよ地上戦が始まることを示唆した。

またイスラエル軍のハレヴィ参謀総長も、北部部隊を訪問。「我々は留まらず、どこででも敵を叩き続ける。目標は、避難を余儀なくされている人々が安心して帰宅できるようにすることだ。そのためにの準備(地上戦)をしている。」と語った。

また、軍のそのブーツが、ヒズボラが立て上げた地下施設や、イスラエル市民にに向いているロケット弾発射地に入ろうとしてい流と語り、兵士たちを激励する様子も伝えられた。

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この状況の中、さすがにテルアビブでの毎週安息日明け、人質解放ための大規模デモは中止が決まっている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。