ハガリ報道官警告後南レバノン各地攻撃:続いてベカー高原住民へ警告・攻撃で計275人死亡 2024.9.23

Israel Air Force jets practicing aerial refuelling as part of readiness preparations, August 15, 2024. (credit: IDF SPOKESPERSON UNIT)

23日朝、IDFのハガリ報道官が、異例の緊急声明を発表。自宅にヒズボラの武器(ロケット弾、ドローン、ミサイルなど)が置かれている人は直ちに避難するよう警告した。

その後、レバノン人の携帯電話に、イスラエル軍からアラビア語で避難を警告するメッセージが届き、ラジオからもメッセージが聞かれた。

in Sidon, Lebanon, Monday, Sept. 23, 2024. (AP Photo/Mohammed Zaatari)

レバノン南部からは、戦争が始まった昨年のうちに8万人がすでに避難している。

しかしまだ残っている地域では、市民がパニックとなり、逃げようとする人々車が渋滞する様子がみられていた。

その後、レバノン南部各地へのイスラエル空軍による攻撃が始まった。

イスラエル軍によると、戦闘機部隊が、南レバノンの300か所以上のヒズボラの武器がある地点地点を攻撃していた。攻撃は、無差別な空爆ではなく、綿密な情報に基づいてヒズボラの武器がある家へのピンポイントの攻撃であった。

爆発は、住宅地でも発生している。上空からの映像を見ると、イスラエル軍の攻撃に続いて、爆発が続発様子が見え、家屋に隠されていた武器が、誘発されて爆発しているのがわかる。

午後になると、ハガリ報道官が、今度はベカー高原住民に対して、ヒズボラの武器が置かれている家を攻撃するとして、対象となる家の住民は直ちに避難するよう警告した。具体的には、2時間以内、居住地から1000メートル以上離れるよう指示した。

その後、ベカー高原各地でも同様の爆発が発生した。これについて、ハガリ報道官は、ヒズボラが、ベカー高原からイスラエルへの攻撃を開始するところだったため、直ちに阻止する目的で実施したと表明した。

www.jpost.com/israel-hamas-war/article-821351

これまでの攻撃は800か所にのぼり、レバノン政府によると、一連の攻撃で、275人が死亡(市民と武装勢力の区別なし)。1024人が負傷した。死者数は時間が経つごとにどんどん増えている。

今後、ヒズボラが反撃してくることは必至で、イスラエル軍の間では、第三次レバノン戦争の声が出始めている。

www.timesofisrael.com/israel-expands-strikes-on-hezbollah-as-panicked-lebanese-flee-at-least-180-killed/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。