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ガザで人質6人の遺体保護
20日朝、イスラエル軍はハンユニスの10メートル下のトンネルからさらに下で、人質となっていた6人の男性の遺体を保護した。6人はハンユニスで殺害されたとみられる。
遺体となって保護されたのは次の6人。アレックス・ダンシグさん(75)、ヤゲフ・グシュタブさん(35)、ハイム・ペリさん(79)、ヨラム・メッツガーさん(80)、ナダフ・ポプウェルさん(51)、アブラハム・ムンダーさん(78)
このうち、ペリさんと、ポプルウェルさんは、6月上旬に、ダンシグさんとグシュタブさんは7月上旬にすでに、死亡が確定とされていたが、ムンダーさんは、今にいたるまでまだ生きていると見られていた人だった。
遺体は、10メートル地下のトンネルの中にあった隠し扉の向こうに、武器などとともに発見されたという。トンネルの見張りはその場から逃げ、何人かはこの時の戦闘で死亡した。以下は、暗闇の中で6人の遺体を保護した時の映像だとIDFが発表したもの。
ペリさんは、ガザの病気の子供たちをイスラエルの病院に搬送するボランティアをしていた人だった。ハマスが来た時、自分が犠牲となって妻を助けていたという。遺族は妻と子供5人と孫13人。
メッツガーさんは妻のタミさんと拉致されたが、タミさんは11月に釈放されていた。遺族は妻と子供3人、孫7人。グシュタフさんも妻のリモンさんと一緒に拉致されたが、リモンさんだけが11月に釈放されていた。
ムンダーさんは、、10月7日、息子を殺され、妻と娘、唯一の孫とともに拉致されたが、妻と娘と孫3人は11月に釈放されていた。
深まる遺族たちのネタニヤフ首相への怒り
6人が遺体で帰国したことを受けて、家族たちの中には、ネタニヤフ首相が、ハマスとの交渉をもっと早くに前向きに進めてうたら、もしかしたら助かっていたかもしれないとして、ますます葛藤と怒りを表明する人もいる。
遺族フォーラムは、政府は、まだ残っている105人の人質全員を取り戻す道徳的責任を負っていると表明した。
ネタニヤフ首相は20日、人質家族の中でも特に強く政府に訴えるグループと会談した。
家族たちによると、ネタニヤフ首相は、今アメリカが進めているハマスとの交渉について、イスラエルの条件として、今もフィラデルフィ回廊などから撤退しないと表明したと伝えたことから、家族たちは、ネタニヤフ首相は交渉で何かが動くとは考えていないようだと落胆と怒りを表明している。
被災者たちの政府への反発は深まりを見せている。10月7日が近づき、政府は、この日に国家式典を予定しているが、キブツ・ニリムは、出席を拒否した。
また、2つの家族は、式典をすることで、政府が、責任をうやむやにしようとしているとして、この式典で、家族の名前が犠牲者の一人として、使われることを拒否すると表明している。