18日、CNNの国家安全保障特派員チーフのジェームス・シュート氏が、ドーハ在住のハマス高官、オサマ・ハムダンに、オンラインでのインタビューを行った。シュート氏は、20年以上、パレスチナ問題を現地で取材し続けていると主張している。
CNNは、反イスラエル的なポジションでの記事が多い。またシュート氏自身も、イスラエルに厳しいことを書く記者だが、このインタビューについては、かなりイスラエルの主張に近いことをハムダンに投げかけていた。非常に興味深いと思った。イスラエルのメディアでも取り上げられていた。
www.jpost.com/israel-hamas-war/article-815165
I pressed senior Hamas official Osama Hamdan on whether Hamas accepts any responsibility for the loss of civilian life in Gaza, which residents have told CNN they believe it does. He wouldn’t answer and instead took me on a history lesson of events he didn’t know I witnessed… pic.twitter.com/L3UUzHrVPb
— Jim Sciutto (@jimsciutto) August 17, 2024
シュート氏は、ハムダンに、10月7日にイスラエル人を1200人殺害し、以来、ガザ保健省によると、ガザ市民4万人が死亡したといわれていることについて、ハマスは責任を感じているか。ハマスは10月7日の奇襲を後悔しているかと問いかけた。
ハムダンは、「あなたはイスラエルの主張で、イスラエルの視点でしかみていない」と述べ、イスラエルが建国して以来、土地を奪われ、どれほどのパレスチナ人が殺されたか。
イスラエルは和平交渉を何度も頓挫させてきたことを振り返れば、パレスチナ人の主張がわかるはずだ」といった内容を返している。つまり、ハマスは、10月7日に1200ものイスラエル市民を虐殺したことについて、正義を主張したということである。
しかし、シュート氏は、ハマスの地下トンネルや拠点が、ガザ市民の住居やモスク、学校の下にあるとして、その人々の死の責任はあるとは思わないのかと問いかけた。
ハムダンは、問いかけに対し、きちんと答えず、「イスラエルは、2014年の紛争で4000人、2008年に1000人を殺したとイスラエルを非難。今も4万人、うち1万6000人の子供を殺している。あなたはそれを知らない」と訴えた。
シュート氏は、自分は2014年の時も2008年の時も現場にいたこと。またCNNは、ガザ市民の死者については、そのまま報告していると説明しようとしたが、ハムダンにもはや聞く耳はなく、自分の主張を続けるばかりであった。最後には突然、姿を消してしまった。
シュート氏は、このインタビューについて、「ガザ市民たちがハマスの責任もあるといっていたので、ハマス自身に問いかけたのだが、ハマスはそれに答えなかった。代わりに私に歴史の授業をした。私自身、それらの出来事を目撃していたことを知らないかのように」と書いていた。