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今のネタニヤフ政権は、事実上、極右政党や宗教シオニスト政党に支えられてその存在が維持できているという側面がある。このため、過激右派勢力が、以前より活動を活発化させる様相にあり、国際社会からの非難の的となっている。過激入植者の中には、アメリカ政府が制裁措置に置いたものもいる。
今もイランの攻撃という危機的状況の中、アメリカなど国際社会がなんとか、中東での大規模な戦闘を阻止しようとさまざまな試みが行われている横で、パレスチナ人との共存を望まない過激右派ユダヤ人たちが、パレスチナ人の怒りを買うような暴力に出て、これを妨害するかのような行動に出ている。
極右ユダヤ人たちがガザに入って祈りと拠点設立試み:警察が14人逮捕
ガザ地区の壮絶な戦いにもかかわらず、13日、数十人の過激右派ユダヤ人が、ガザ北部国境線上にあるエレツ検問所から、国境を超えて、ガザの中で祈りをささげようとし、さらには、ガザの中にユダヤ人の前哨地を建設する動きを見せた。
イスラエルの国境警備隊は、7人を逮捕し、20人を拘束。最終的に逮捕となったのは14人であった。
このグループは、2005年にユダヤ人たちがガザから撤退したことを記念して、こうした動きをしていた。このグループは、ガザもイスラエルの領地であるべきだと考えており、ユダヤ人の再定住を目標としている。2ヶ月前に、国境付近にに宗教施設エレイ・アザを設立して撤去させられ、7人が逮捕されていた。
西岸地区パレスチナ人居住地ジッドにユダヤ人暴徒襲撃・放火:パレスチナ人男性(20)死亡
15日夜、西岸地区のパレスチナ人居住地ジッドに、100人近い、極右ユダヤ人の暴徒がなだれこみ、家屋4軒と車6台に放火した。
שריפות בכפר ג'ית שממערב לשכם, הערב
(צילום: מועצת הכפר ג'ית) pic.twitter.com/7uZJJS8dJO— הארץ חדשות (@haaretznewsvid) August 15, 2024
の暴動で、パレスチナ人男性のラシード・セダさん(23)が死亡。もう一人が重傷を負った。これまでに過激右派ユダヤ人1人が逮捕されたとのこと。
ネタニヤフ首相は、テロと戦うのはイスラエル軍だとして、この行為を非難。
ヘルツォグ大統領も、「この行為は、法律を遵守している他のユダヤ人入植者、入植地そのものと、このような微妙なときに国際社会におけるイスラエルの地位に悪影響を及ぼすもので、極端な少数派によるものだ」とXにコメントを発表した。
ギャラント防衛相も、軍が、最前線で防衛の戦いをしている中で、過激派が暴動を起こして無実の人々を襲ったのだ」と非難した。ユダヤ教政党もこれを非難。当然ながら、中道左派系政党のラピード氏は、道徳の低さだと非難。ガンツ氏も、この人々は刑務所にいるべきだと非難した。
一方で、自身も極右のベングヴィル国内治安相は、兵士に向かって投石するパレスチナ人を撃つ兵士を認めないという方針が、こういう事態をもたらしたのだと、過激派たちではなく、政府と軍を非難した。