ヒズボラが反撃のロケット弾約200発・ドローン20機:ゴラン高原とガリラヤ地方で火災・イスラエル兵1人死亡 2024.7.5

(photo credit: KKL-JNF Staff and Foresters.)

ヒズボラ重要司令官3人目死亡

ヒズボラとの小競り合いが続く中、3日、イスラエルが、国境から20キロの沿岸都市タイヤへの攻撃で、ヒズボラのナスララ党首が、“司令官”と呼ぶほどの人物、ムハンマド・ニマ・ナセルが、死亡していたことがわかった。

Hezbollah media office

ヒズボラの高官が死亡するのは、これで3人目である。

ナセルは、2006年の戦争の時、イスラエル兵2人、エフード・ゴールドワッサーさんとエルダド・レゲブさんを誘拐し、殺害した件に関わっていたとのこと。

攻撃はドローンによるもので、ナセルが車で移動中を狙うと言う、焦点のあたった、いわば暗殺であった。

www.timesofisrael.com/senior-hezbollah-commander-killed-in-idf-strike-in-southern-lebanon/

イスラエルへ反撃:ロケット弾約200発・ドローン20機

膨大な反撃が来ることが予想されたが、翌4日、イスラエル北部のアッコ周辺、ガリラヤ地方、ゴラン高原に、ロケット弾約200発、ドローン20機が発射された。

ほとんどは、アイアンドームと戦闘機によって迎撃されたが、ゴラン高原に着弾した1発で、イスラエル兵1人が死亡した。

死亡したのは、予備役装甲団のイタイ・ガレア副隊長(38)

アッコでは、モールに迎撃による破片が落下して火災が発生。サイレンで逃げる時に軽傷を負った2人がいたが、深刻な死傷者は出なかった。

しかし、着弾した野原などでは膨大な山火事が発生。イスラエルでは消火作業に追われることとなった。

人的被害は出ていないが、果実園などが被災しており、将来的な経済的損失が懸念されている。

ヒズボラが犯行声明:大規模葬儀

ヒズボラは、これらの攻撃は、ナセル暗殺に対する報復だとの声明を出した。それによると、ナセルは、南レバノン3区域における一つを統括する人物だった。

ヒズボラは、その後、レバノンの首都ベイルートで壮大な葬儀を行なっている。

その中で、ナスララ党首は、これからイスラエルは、予想だにしないところへも攻撃を受けるだろうと言っていた。

ヒズボラとの対決は、ますます避けられない様相になっている。

www.timesofisrael.com/hezbollah-fires-200-rockets-launches-20-drones-in-major-attack-on-north/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。