1)ハッジ
ハッジとは、イスラム暦の12月に、サウジアラビアのメッカへ巡礼するとされる、イスラム法で定められた3日間のことである。メッカでは、カーバ神殿の周りを、イスラム教徒たちが回る。
今年は、約200万人がメッカを訪れたが、気温は18日、51.8度を記録。あまりの暑さに2700人が医療ケアを受け、少なくとも14人が熱中症で死亡した。(メディアによっては22人)
www.afpbb.com/articles/-/3524775
www.ynetnews.com/article/bj0a9bji0
2)エイード・アル・アドハ
ハッジの最終日はエイード・アル・アドハと呼ばれる犠牲際になる。この日は、聖書に出てくるアブラハムが息子イシュマエル(聖書ではイサク)を、神に犠牲として捧げたことを覚える日とされている。
聖書によると、アブラハムとその妻、サライにはなかなか子供が生まれなかったため、サライは、夫アブラハムに、エジプト人女奴隷のハガルを連れてきて、子供を産ませ、その子を長男とした。それが、イシュマエルである。ところがその後、サライも妊娠し、イサクを産むことになる。
ヤコブが正妻の子供であることと、イシュマエルが、あえてアラブ人の妻を迎えるなどしたため、結局次男であったヤコブが、アブラハムの正式な跡取りとなる。アブラハム、イサク、その子のヤコブが、ユダヤ人民族になっていくのである。
その後、聖書によれば、アブラハムが神の指示に従い、犠牲として捧げようとして(殺そうとして)、それを止められるというプロセスの中で、捧げられたのは、イシュマエルではなく、イサクである。(創世記22章)
このイシュマエルが、後にアラブ人となっていき、ヤコブがユダヤ人となって、今に続く対立の形になっていくのである。いわば、非常に古くから続く兄弟喧嘩といえるだろうか。
以下は、エルサレムの神殿の丘でのエイード・アル・アドハの様子。幸い、衝突は報告されていない。