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ラファのハマス勢力半減か:戦闘員550人死亡
ガザとエジプトの国境ラファへの進軍が始まってから40日を経過した。まずエジプトとの国境を制覇してから内部へと進軍を続け、フィラデルフィ回廊とよばれる地域を制覇して、エジプトからハマスへの輸送路を断ち切った。
これまでに、数十発の長距離ロケット弾を含む数百発のロケット弾を押収。地下道に続くトンネル200本を破壊した。また、少なくとも550人のハマスやその他組織の戦闘員が死亡したとみられている。しかし、イスラエル軍の方でも、兵士22人(一昨日の8人含め)を失っている。
こうした経過から、イスラエル軍は、17日、ラファのハマス勢力は、ほぼ半分にまで壊滅させたとの見解を発表した。確かに、昨日、ガザからイスラエル領内へのロケット弾が数発発射されたが、以前に比べれば、激減している。
ラファからの物資搬入再開へ
ラファには、物資を搬入する主要道路が通っている。イスラエル軍は、16日、ラファで、南北に通じる道路から人道支援物資を搬入するため、その地域での日中の戦闘は一時停止すると発表した。ラファの検問所ケレン・シャロームでは、戦闘で搬入できず、立ち往生しているトラックが、1000台以上にのぼっているとのこと。IDFハガリ報道官は、物資搬入の安全は、イスラエル軍が守ると言っている。
しかし、ガザ内部は無法状態になっており、搬入される物資は、強奪される可能性もある。
www.timesofisrael.com/idf-says-half-of-hamass-forces-in-rafah-dismantled-at-least-550-gunmen-killed/
なお、この計画は、昼間だけの話であり、関係しない地域含め、ラファでの戦闘は続けると、イスラエル軍は強調している。
生存している人質は数十人?時間の問題と交渉担当者ら
ラファではハマスを半減させたとまで言っているが、人質に関する情報はない。ハマスとイスラエルの交渉は、かろうじて継続されている形をとってはいるが、ハマスが、まずはイスラエルの完全撤退を要求して以後の進展はない。
イスラエルは、アメリカの案に同意し、段階を追って、人質を返し、その間は撤退ではなく、停戦するという方向でハマスに提示しつつ、ラファでの戦闘を続けて圧力をかけて、返事をまっているところである。しかし、今の所、ハマスが、これに合意するという返事はない。
交渉にあたっているイスラエル代表が、AFPに語ったところによると、ガザにいるイスラエル人人質、数十人は、確かに今も生存しているとみられている。しかし、早く救出しないと、いつまで生きていられるかわからないと、焦りを語ったという。
では、イスラエルの方で、ハマスの要求を受け入れて、まず、イスラエル軍を完全撤退させたとして、果たして人質は解放されるかどうか、その補償は全くないわけである。人質の一部は戻すかもしれないが、その後、延々と10年も交渉を続けようとするだろうと、代表は語ったという。
確かに、ハマスにとって人質は最後の命綱である。一度に人質を全部返してしまえば、イスラエル軍にはもはや、なんの懸念もなくなり、一気にハマスを殲滅しにかかるだろう。
イスラエルにとって人質は1日でも早くとりもどしたいが、交渉で取り返す可能性は、かなり薄いといえる。そうしたハマスの本性を国際社会がどれぐらい理解しているかどうか、疑問である。
ガザでもエイード・アル・アドハ
ガザ住民もほとんど全員イスラム教徒である。ハッジでもメッカには行けないが、エイード・アル・アドハは、ガザでも祝われた様子が伝えられている。