アメリカは、ガザでの戦闘で、人質交換と恒久的停戦の交換を目指してイスラエル軍がラファへ侵攻することを、必死に阻止しようとしている。
また、将来にわたってガザとの戦闘を阻止する方策として、ハマス撃墜の後、パレスチナ国家設立を目指す事で、パレスチナ人たちを落ち着かせる方策を推し進めようと奔走している。掲げているのは、戦後のガザを、パレスチナ国家の前身であるパレスチナ自治政府と、湾岸アラブ諸国という形である。
ネタニヤフ首相は、ガザの管理に湾岸アラブ諸国が関与することに反対していないが、パレスチナ国家の設立だけでなく、自治政府が戦後のガザ運営に関わることも受け入れていないので、アメリカの意見には同意できないとしている。
アメリカの国家安全保障顧問ジェイク・サリバン氏は、18日、まずサウジアラビアを訪問。ビン・サルマン皇太子と会談し、もしイスラエルがパレスチナ国家を認めることを条件に、イスラエルとの国交正常化についても話し合ったとみられる。
サウジアラビアとの国交正常化は、ネタニヤフ首相が目指している事ではあるが、サウジアラビアが言うところのパレスチナ国家は、首都を東エルサレムとしている。これをネタニヤフ首相が受け入れるとは、およそ考えにくい。
サリバン氏は、サウジアラビアに続いて19日、イスラエルに到着。ネタニヤフ首相と会談した他、ヘルツェル大統領、イスラエルの国家安全保障会議のハネグビ議長、ダーマー戦略大臣などとも会談した。
サリバン氏は、ネタニヤフ首相たちと、アメリカは、ハマスの指導者を探し出して裁判にかけることには支援するが、ラファへの侵攻は、多くの犠牲者を出すだけでなく、隣国エジプトにも大変な迷惑となり、関係が悪化するとの懸念を繰り返した。
その後、ギャラント防衛相と防衛関係者とも会談した。
最終的に、サリバン氏は、「イスラエルと、ガザでの戦闘が、ハマスの永久的な敗北、人質解放、ガザのよりよい未来という目的からずれないことを確認した」と語っている。