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ICJに南アフリカのイスラエル訴え:イスラエルはガザを一層しようとしている
ICJ(国際司法裁判所)は、南アフリカから、イスラエルがラファへ入ることを阻止しなければならないとの訴えを受け、16日、緊急措置としてこの件について公聴会を開催した。
当初は、ラファに関する協議の予定だったが、南アフリカは直前になって、イスラエルは、ガザのパレスチナ人を地上から一層しようとしているので、ラファのみならず、ガザ全体の軍事作戦を阻止を命じるようにとの訴えに変えていた。
なお、南アフリカが、イスラエルを非難する訴えを出すのは、今年1月に続いて2回目である。1月の訴えでは、イスラエルがジェノサイドを行っている明確な証拠はないとして、却下されていた。
今回、南アフリカは、上記訴えに加えて、戦争犯罪と大量虐殺の犯罪に関する捜査団を派遣すること、また、イスラエルに人道支援物資を妨げることがないよう強制的にでも命じることも求めた。イスラエルに対しては、1週間以内に、公開報告書を提出するよう求めた。恐ろしいばかりに執拗なイスラエル敵視である。
なお人道支援物資搬入については、ラファ検問所は閉鎖しているが、カレン・ショムロン検問所からは、燃料含め、食料の搬入は先週から回復している。また、アメリカが会場に設立した桟橋も完了し、ガザへ1日に150台で、支援物資搬入が開始されている。
イスラエル代表の反論:ガザへの物資搬入口3箇所開設に5200万ドルを使った
イスラエルからは、17日、外務省法律顧問のタマル・カプラン・トゥールジマン氏ら法律専門家のチームが、反論に立った。
トゥルージマン氏は、南アフリカのジェノサイドや、人道支援物資の搬入妨害については、事実の法外な湾曲であり、まったく事実とは異なると反論した。
戦争犯罪と言われていることについて、イスラエルは、軍とは別の組織が、イスラエル軍の犯罪行為が疑われるとする数十件の法的な捜査を行っていると報告。国としても違法行為には取り組むとの姿勢を表明した。
また、イスラエルは、燃料と食料をガザに流入し続けており、16日だけでも365台(ガザ南部のラファに近いケレン・ショムロンの検問所330台)から入ったこと。また、新たな搬入口を3箇所設立して、燃料や食料を搬入しているが、このために、イスラエルは、5200万ドルを使ったと報告。「これがガザを密閉しているというのでしょうか」と厳しく反論した。
イスラエルの国際法担当ノアム氏も、南アフリカが、現実離れした報告でイスラエルを非難するのは4度目だと指摘。
ハマスこそ、ロケット弾発射地や、トンネルの入り口を民間人の家の中に作り、民間人を盾にしている。判決がハマスに有利になるような不条理が通った場合、今後もハマスは残虐な行為を続けることになると訴えた。
ノアム氏は、5月9日に南アフリカの首都ヨハネスブルグで行われた反アパルトヘイト会議に、ハマス関係者が招かれ、パンドール外相と会談していたことをあげ、南アフリカは、ガザにおけるハマスの支配を維持したい考えがあるのでは。そのために、この会議でどう答弁するか話し合っていたのではないかと指摘した。
www.timesofisrael.com/israel-pans-gaza-distortions-at-world-court-says-it-cant-micromanage-war/
判決は来週には出るのではとみられている。