シャイ・ハル・ツヴィ博士は、イスラエル軍で26年働き、政府の政策にも関わってきた防衛や政策に関する専門家である。
www.runi.ac.il/en/research-institutes/government/ips/about/ips-team/shay-har-zvi/
イスラエル政府プレスオフィスは、ツヴィ博士の解説を記者たちに提供した。
ツヴィ博士は、今のイランとイスラエルの対立が、たんに2国家間のものではないことを強調する。中東問題とウクライナ問題を通して、大きく世界が2局化しているとツヴィ博士は語っている。
今、ロシアはイランをはっきりと非難しない態度を続けているが、ウクライナはイランを非難した。この違いが、世界の2局化を象徴しているというのである。世界は大きく分けて次のように2分している。
① アメリカとイスラエル、ウクライナ(一部)、西側諸国と湾岸穏健派アラブ諸国
② イラン、ヒズボラ、フーシ派などの過激諸国とその背後にいるロシア、中国、北朝鮮
ロシアは、ウクラナイ攻撃において、イランからドローンの供給を受けている。この2年ほどに間に、ロシアとイランは、軍事だけでなく、政治、経済においても急速に接近した。
こうした中、欧米は今、ウクライナへの支援疲れに入っているとも言われており、ロシアのウクライナへの攻撃は激化している。イランへの制裁についても、欧米は一致しておらず、限定的にとどまっている。
この流れからすると、将来、ロシアのイスラエルに対する態度方針にも変化が出てくるとツヴィ博士は語っている。つまり、現時点でロシアは、イスラエルに表立って敵対はしていないが、敵対する方向に変化するということである。