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イランがまもなくイスラエルと攻撃するのではないかとの危機感が、現実味を帯びてきた。当然ながら、イスラエルも反撃を宣言している。
こうした中、アメリカのバイデン大統領はアメリカが、イスラエルの側に立つことを明言。緊張が急速に高まっている。アメリカはなんとか緊張を緩和するよう、中東諸国に対し、イランにとりなしを要請し、同時にイスラエルの防衛体制強化にとりかかっている。
なお、3月10日に始まったイスラム教ラマダンは、イランでも4月9日に終了している。
イランとイスラエルの衝突の流れ
4月1日、イスラエルが、シリアのダマスカスにあったイラン領事館とみられる建物にいた、IRGC(イラン革命防衛隊クッズ部隊)のヒズボラとの間を結ぶトップ、ザヘディ最高司令官と、高官1人の2人を暗殺。
これに対し、イランのイスラム最高指導者ハメネイ師は、「イスラエルは罰せられなければならない。必ずそうなる。」との声明を出していた。
イランがイスラエルを攻撃するのかということだが、これまでの流れからすると、イランが直接イスラエルを攻撃するのではなく、ヒズボラやハマス、フーシ派、また西岸地区の過激派に何か大きなテロをさせるのではないかとも見方が有力であった。
一方で、ヒズボラ関連のメディアは、イランが、アメリカに、「現在カイロで進行中のハマスとイスラエルの交渉で結論がでるまでは、とりあえず、攻撃には待ったをかけておく」伝えたとして、その結果によっては、イランがイスラエルを攻撃する可能性はあるとの示唆も出していた。
こうした中、10日、イスラエル軍のガラント防衛相が、北部のアイアンドーム迎撃ミサイルの拠点を訪問した際、部隊の兵士たちに向かって、「もし、敵がイスラエル領内を攻撃するなら、その国の領内へ強力な反撃を行う。
私たちには中東のどこから攻撃されても、そのような反撃を、速攻で行う準備がある。」と強力な声明を出した。
また同じ日、イスラエルのカッツ外相が、X上に、「もしイランがその領内から攻撃してくるなら、イスラエルは、イランへ反撃する」とまず、ヘブライ語でアップし、その後、同じ内容をペルシャ語にして、Xにアップした。
ガラント防衛相は、イランを名指しなかったが、カッツ外相はストレートに、イランへの反撃を警告した形である。
اگر ایران از خاک خود حمله کند، اسرائیل واکنش نشان داده و در ایران حمله خواهد کرد @khamenei_ir
— ישראל כ”ץ Israel Katz (@Israel_katz) April 10, 2024
www.timesofisrael.com/israel-threatens-to-strike-iran-directly-if-it-attacks-from-own-territory/
これに先立つ9日には、イスラエルが、イランの各施設などの重要なインフラを攻撃するための空軍の訓練をここ数日行なっているという情報が出ていた。
一方で、イランのニュースが、X上で、空軍の軍事訓練のため、テヘラン上空を閉鎖すると発表し、世界に緊張が走ったが、そのニュースはすぐに削除されるという一連の動きもあった。
緊張が急速に高まっていたということである。
イランのイスラエル攻撃はここ数日の間か?:アメリカはイスラエルの防衛にコミットを明言
Times of Israelによると、10日の時点で、アメリカ政府は、イスラエルに対するイランの大規模な攻撃が、今後数日の間に始まるとの見方をしているもようである。
アメリカのメディアBloombergによると、イスラエルの政府、軍事施設をイランが高精度なミサイルやドローンで攻撃する可能性があるとのこと。
こうした状況の中、アメリカのバイデン大統領は、ここしばらく、ハマスとの交渉において、固い姿勢を崩さないネタニヤフ首相を明確に批判的しており、イスラエルが最大の同盟国を失いつつあるのではないかと懸念されていた。
しかし、イランとの対立について、バイデン大統領は、イスラエルの防衛に協力するという方針は、鉄壁のごとくに変わりはないと表明。記者会見の中でも、アメリカは、イスラエルの防衛にコミットしていると明言した。
要するに、バイデン大統領が、ネタニヤフ首相に批判的なのは、イスラエルにとって益にならない決断をしているという判断をしていたからであり、イスラエルそのものを守ろうとする意志に変わりはないということともとれる。
ブリンケン米国務長官も、電話でガラント防衛相に、イランの脅威に対して、アメリカはイスラエルの防衛に協力すると伝えたとのこと。
www.timesofisrael.com/us-said-to-believe-iranian-attack-on-israel-is-imminent-matter-of-when-not-if/
*独航空会社ルフトハンザがテヘランへの乗り入れを停止を延期
イランがイスラエルを攻撃する可能性が現実味を帯びてきたことから、ドイツの航空会社ルフトハンザが、4月6日から11日までの予定で運行を停止していた。本日、ルフトハンザはその延長を発表した。
アメリカが中東諸国にイランにとりなしを要請:イスラエルには防衛準備支援開始
緊張が高まる中、アメリカ政府の中東担当ブレック・マクガーク氏は、サウジアラビア、UAE、カタール、イラク外相、それぞれに対し、イランに気を鎮めてくれるよう、とりなしを依頼した。これらの外相たちはすでに、イラン外相と電話会談を行ったとのこと。
また本日11日、アメリカ軍の中東を担当するエリック・クリラ司令官が、イスラエルに到着し、イランとその協力組織からの攻撃に備える支援を行うことになっている。