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国連安保理で可決:ガザでの即時停戦と人質解放要請
国連安保理では、これまでに何度か、ガザ地区での戦闘の停戦に関する決議がとられてきたが、その度にアメリカが拒否権を発動して、可決にならなかった。また、アメリカが出した停戦案には、ロシアと中国が拒否権を発動して、停戦決議にはならなかった。
しかし、25日夜に行われた、無条件の即時停戦(ラマダンが終わるまで)と人質解放に関する決議(非常任理事国の提案)では、アメリカが棄権表明したため、日本を含む14カ国の全会一致で可決となった。即時停戦を求める安保理決議が可決されるのは、昨年10月の事件発生直後から2回目となる。
しかし、今回可決されたこの決議は、拘束力がないものであった。言い換えれば、イスラエルに停戦に応じる義務は発生しないが、ハマスに対しても人質返還を義務付けないということになる。
また、この決議は、イスラエルには非常に大きな意味合いが出てくる。ハマスは、テロ組織だが、イスラエルは、国連憲章に合意しており、基本的には、安保理決議に従う義務がある。これを遵守しない場合は、イスラエルには、制裁を課される可能性があるが、そうでない場合でも、国際社会に逆らうことになるので、イスラエルの立場は、悪くなる。
この決議の後、ハマスは、国連安保理のこの決議に感謝を表明し、イスラエルのエルダン国連代表は、「イスラエル人の血は安いということなのか」と非難する声明を出した。
アメリカと亀裂:ネタニヤフ首相がワシントンへの交渉団派遣中止を表明
今決議が可決したのは、アメリカが棄権して拒否権を発動しなかったからである。アメリカは、これについて、この決議には拘束力がないので、イスラエルは戦闘を続けられることと、人質解放も明言しているとして、棄権したと説明している。
しかし、アメリカが、可決されることを、十分知った上で棄権したのであれば、実質的には賛成したのと同じである。イスラエルの立場を守るという、これまでの姿勢を明確に一変させたことになる。
イスラエルは、今週、国家安全保障ハネグビ長官ら一行を、ワシントンに派遣し、アメリカが提示している、ラファ侵攻の代替案に関する議論を行うことになっていた。しかし、この国連安保理の決議を受けて、ネタニヤフ首相はハネグビ氏らの派遣の中止すると発表した。
アメリカは、アメリカのイスラエルへの姿勢に変わりはないとし、ネタニヤフ首相は、深刻にとらえすぎだと主張している。
石のひとりごと
このことに限らず、世界はどうにも、道理的、霊的に、おかしい方向にすすんでいるのかもしれない。日本でも昭和の時代の普通が普通でなくなる時代になっている。テレビで「不適切にもほどはある」というような番組が出ている。
昭和の常識が全部正しいとして、今を批判するのではないし、確かに昭和の時代のやり方には問題もある。しかし、どこかで、善悪のあたりまえが、どうにもずれてきている点も否定できないのではないかということである。
以前、ニューヨークTimes Square Churchのディレナ牧師が、そうした世界の変化に関するメッセージを発していた。