21日、エルサレム旧市街では、ハマスメンバーが銃を乱射して、イスラエル人が1人死亡するテロが発生したが、イスラエルの治安部隊は、その翌日の22日、事件以前からの捜査も含め、西岸地区(ラマラ、ジェニン)に潜んでいたハマスメンバー数十人を逮捕したと発表した。
西岸地区では、ハマスが目立って進出しており、イスラエルの治安部隊は、この9月にも大規模な踏み込み捜査を行っていた。この時は、イスラエル側に2人の負傷者と、パレスチナ人5人が死亡するほどの戦闘になっていた。
この大規模な踏み込みを行なったシンベト(国内治安維持組織)によると、これ以外にもハマスの拠点など50箇所以上を摘発し、大量の武器も押収していた。
武器の中には、西岸地区やイスラエル国内でのテロ活動に向けて、使用直前までに準備されたものから、自爆テロに使うとみられる爆弾付きベルトもあった。作戦に使うとみられた現金も押収している。これにより、イスラエル人の命がどれほどに守られたかは想像を絶するところである。
ガザ地区では、市民たちがカタールからの現金配給を受けるほどの貧困生活を余儀なくされている。最近では、エジプト経由でカタールの石油をもらい、それを売って現金を得たりしている。カタールがガザに提供した現金は、これまでに3000万ドル(約35億円)にのぼるとみられている。
このような状態にあるにもかかわらず、イスラエルを攻撃するための武器に資金は惜しまない、というのがハマスの姿なのである。
<トルコに配慮で摘発公表を延期したイスラエル>
イスラエルはハマスのこうした現状を先週発表する予定だった。しかし、発表は1週間延期されていた。先週、イスラエルは、トルコにスパイ容疑で逮捕されていたイスラエル人夫妻を取り戻すために、トルコと緊張した交渉の最中にあった。幸い、夫妻は帰国することができたため、ベネット首相はエルドアン大統領に感謝の電話を入れている。
このトルコは公にハマスを支援している。こうした大規模なテロ行為の証拠を摘発すると、トルコに恥をかかせることにもなりかねない。そのために、公表が延期されたということであった。
このニュースが公表された後、ラピード外相は、トルコにハマスの支援はやめるようにと訴えた。
www.timesofisrael.com/qatar-hamas-seek-to-bypass-israeli-curbs-on-cash-funding-for-gaza/