目次
COVAXからワクチン約6万回分到着
イスラエルがコロナから解放される様子のすぐ隣にいるパレスチナ人のワクチン接種はその後どうなっているのか。
イスラエルは、イスラエル国内、入植地内工場で働いているパレスチナ人約13万人と、東エルサレム在住のパレスチナ人へのワクチン接種は行っている。これまでに9万人が接種を受けたとのこと。その他は、パレスチナ自治政府に、2000回分を送っただけで、積極的な支援は行っていない。
パレスチナ自治政府は、先月、モデルナとロシア製のワクチン、計1万回分の調達を受け、まずは、政府関係者が接種したことで批判されていた。その後の21日、国連のワクチン支援組織COVAXから、ようやく、ファイザーのワクチン3万7440回分、アストラゼネカ2万4,000回分が届いた。
前回分から、ガザへ2000回分を送ったように、今回は2万回分が、17日、ガザへ送られ、4万回は、西岸地区の75歳以上、もしくは持病のあるハイリスク患者から接種が始められた。前に接種は受けたと思われたアッバス議長(85)が、今回、接種を受ける様子が報じられた。
ガザ地区については、パレスチナ自治政府からの2000回分と、UAE(アラブ首長国連邦)から、ロシア製6万回分の供給を受けている。
パレスチナ人の総人口は、ガザも入れて約500万人。このうち、西岸地区で15万6000人が感染し、1745人が死亡。ガザ地区では、5万7000人が感染し、568人が死亡している。
パレスチナ自治政府は先週14日から5日間のロックダウンを指示していた。その後についての報道はない。
イスラエルの投票日にガザからロケット弾:イスラエル軍が報復攻撃実施
ガザ地区からは、イスラエルで投票が行われた23日、ロケット弾が発射され、ベエルシェバ近郊に着弾した。この日、ネタニヤフ首相が、ベエルシェバの支援者を訪問していたが、着弾した時、首相はすでに町から出た後であった。
着弾したのが空き地であったため被害はなかったが、イスラエル軍は、ガザへの報復攻撃を実施した。ガザの方でも被害の報告はない。
www.ynetnews.com/article/H1BnqoPEd
石のひとりごと
パレスチナ人はもう70年以上、イスラエルを憎み続けている。今、世界最速のコロナ対策で成果を上げているイスラエルを、すぐ近くで目の当たりにしているパレスチナ人たちはどう感じているだろうか。
納得はいかないのだろうが、コロナを前に、もうそろそろ現実を見据えて、イスラエルと建設的な関係を作ることを考えていく方が良いとは思えないのだろうかと思ってしまう。
私たちも同様。いつまでも意地や怒りを持ち続けることは、たとえ不条理に見えたとしても、自分にとって良いことは何一つない。世界中で迫害を受けてきたユダヤ人たちは、ある意味、この考え方を身につけていると思う。だから常に前を向いているのである。