アメリカのポンペオ国務長官が、24日、イスラエルに到着した。ポンペオ国務長官は、これからネタニヤフ首相、ガンツ防衛相、アシュケナジ外相と会談。中東諸国との国交樹立の他、アメリカがイランへの制裁再開に向けた動きをすすめていることについての話し合いが行われる。
イラン問題については、最近衝突が続いているガザ問題やヒズボラ問題も話し合われるとみられる。
また、アメリカと対立を深める中国について。イスラエルでは、軍港でもあるハイファ港の建築に、中国が深く関わっており、アメリカはかねてより、軍備、情報漏えいになると懸念を表明している。
その後、ポンペオ国務長官は、5日間で、イスラエルとの国交樹立の可能性があるとみられるスーダン、バハレーンを訪問。また、UAEでは、歴史的なイスラエルとの合意についての詰めが行われるとみられる。
スーダンは、イランとの協力で、反米、反イスラエルの過激派を含む地域である。スーダンについては、同国外務省報道官サディーク氏が、イスラエルとの国交樹立の可能性について述べた直後に、外相代理がこれを否定し、サディーク氏を更迭するという一幕があった。
www.timesofisrael.com/pompeo-lands-in-israel-for-meetings-ahead-of-regional-normalization-push/
今後、スーダンがイスラエルに近づくかどうかだが、バルイラン大学、ベギン・サダトセンターのエキスパート、エイタン・ギルボア教授は、スーダン自身は、このイスラエルとの国交樹立可能性国からは外してほしいと思っているはずだと見ている。
しかし同時に今、現実問題として、スーダンは、アメリカやイスラエルの農業技術等を必要としているということ、またイスラエルも、国内にいるスーダン難民6500人を帰国させたいという事情がある。こうした事情から、もしかしたら、両国が、取引として、国交ということもありるかもしれないと語る。
エゼキエル38章には、将来、イスラエルを攻め上ってくる国々の中にプテとよばれる地域が含まれていると書かれている(エゼキエル38:5)。スーダンはこの中に含まれている。となるとスーダンが、今、イスラエルとの国交を結ぶことはないのではないかとも思われるが、今後注目される国である。
このほか、ポンペオ国務長官は、オマーン、カタールにも立ち寄る可能性があるとのこと。また、ポンペオ国務長官に続いて来週、クシュナー大統領補佐官(中東担当)がこれらの国々を訪問することになっている。
www.timesofisrael.com/pompeo-to-visit-sudan-push-for-deepening-its-ties-with-israel/
一般社会では、ズームによるオンライン会議が盛んになっているが、やはり、外交においては、人対人でなければならないということのようである。
<この時期に来る目的:大統領選挙対策>
今回、ポンペオ国務長官は、2日後、共和党コンベンションへのメッセージを、エルサレムから発信することになっている。イスラエルとUAEの国交という大きな功績を強調するとともに、エルサレムをイスラエルの首都として大使館を移動したことも含め、大きな支持基盤の一つである福音派キリスト教徒へのアピールもあるとみられている。