3月2日に行われた3回目総選挙の投票は、同日午後10時に終了した。まだカウントは終わっていないが、主な3つのテレビ局の出口調査によると、どの結果も、ネタニヤフ首相のリクードが37議席。ガンツ氏の青白党が32−33議席と、ネタニヤフ首相が大きく議席数を伸ばしていた。
これにより、投票終了後の出口調査の時点での予想ではあるが、ネタニヤフ首相のリクードと右派陣営が連立を組むと60議席、対する青白党の左派陣営は、52−54議席となり、基本的にネタニヤフ首相が勝利という見通しとなった。
国会過半数は61議席以上なので、まだ1議席不足しているが、これから数えられるイスラエル軍兵士の票は、右派に流れがちなので、ネタニヤフ首相の右派陣営が、61議席以上の過半数をとる可能性は高いといえる。ネタニヤフ首相は、すでにツイッターで感謝のメッセージを発した。
なお、ネタニヤフ首相は、司法長官から汚職、背任などで起訴されており、裁判は3月17日に始まるが、選挙での勝利は、ネタニヤフ首相に有利に働くと予想される。ネタニヤフ首相は、裁判までに、早急に連立政権を立ち上げる意欲を表明している。
今回の総選挙は、投票率が71%と過去21年ぶりの高さを記録した。これがネタニヤフ首相に有利に働いたとみられている。
しかし、イスラエルでは予想外はつきものである。まだ開票が終わっていないので、リクードが60議席にとどまる可能性は、まだまったく0ではない。万が一、ネタニヤフ首相の右派陣営が61議席に届かなかった場合、またまた政府が立ち上がらないということになり、前回と同じ流れになる可能性もまだわずかだが残されている。
エルサレムポストは、もし、61議席にならなかったとしたら、議席獲得のための最低得票率が期待できない極右政党オズマ・ヤフディトが、ネタニヤフ首相の要請に応じて、立候補を辞退しなかったことが原因と解説する。オズマに流れて無駄になった票が、右派陣営のどこかに入っていたはずだからである。
その他の結果については、右派陣営では、ユダヤ教政党シャスが9議席、右派ヤミナが6−7議席。キングメーカー(この党の動き方で勝者が決まる立場)であったイスラエル我が家党のリーバーマン氏は、前回8議席であったところ、今回6−8議席とく議席を減らすみこみ。左派陣営のアラブ統一正統派は14議席。
ガンツ氏とリーバーマン氏にとっては、残念な結果だが、それぞれ、「戦いは続ける。投票してくれた人々の声をしっかり代弁していく。」として、感謝を述べた。
正式な結果が出次第、今後予想されることなども含め、専門家の分析とともに、順次をお伝えしていく。
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