5ヶ月後に国連安保理でハマス性犯罪を議論:ユダヤ人への偏見かとカッツ外相 2024.3.12

at U.N. headquarters in New York, US March 11, 2024. (credit: REUTERS/DAVID 'DEE' DELGADO)

10日、ニューヨークの国連では、イスラエルでハマスの性暴力を調査したプラミラ・パットン氏の報告をもとに、国連安全保障理事会の緊急会合が招集された。

犯罪から5ヶ月経ってようやく安保理で議論:イスラエルからカッツ外相発言

イスラエルを代表して出席したのは、イスラエル・カッツ外相であった。カッツ外相は、「イスラム教の名のもとで行われた性暴力犯罪を厳しく非難する。ハマスとテロ組織と宣言し、アルカイダやISのように、厳しく追訴するべきであり、そこに論議の余地はない」と述べた。

また、今なお人質になっている人々を無条件に直ちに解放するよう、安保理からの圧力をかけるよう、安保理に求めた。

www.timesofisrael.com/katz-decries-uns-silence-on-hamas-attacks-at-meeting-on-oct-7-sexual-violence/?utm_source=article_hpsidebar&utm_medium=desktop_site&utm_campaign=katz-decries-uns-silence-on-hamas-attacks-at-meeting-on-oct-7-sexual-violence

また、カッツ外相は、この会合を招集するよう働きかけたアメリカとフランス、イギリスに感謝を表明すると共に、国連が10月7日以来、5ヶ月の間に、41回も召集された安保理で、この件が一回も論議されていなかったと批判した。グテーレス事務総長がそうさせなかったと指摘した。

カッツ外相は、この会議に先立ち、グテーレス事務総長に書簡を出していたが、その中で、この問題への国連の対処を厳しく批判し、「あなたは、被害者がユダヤ人であったから、すぐに動かなかったのだ」と指摘していた。

安保理会合ではここまで言えないことを、前もって伝えておいたということであろう。メディアには、明らかにされたということである。

www.i24news.tv/en/news/israel-at-war/1710183222-israeli-fm-katz-accuses-un-s-guterres-of-bias-following-oct-7-attack-response

www.jpost.com/israel-hamas-war/article-791384

アラブ人人質家族がパレスチナ自治政府代表に詰め寄り

(photo credit: REUTERS/DAVID ‘DEE’ DELGADO)

この安保理には、カッツ外相とともに、ハマスの人質になっているアラブ人の家族、アリ・ジアドナさんも同行していた。

会合の後、ジアドナさんは、パレスチナ自治政府代表のリヤド・マンスール氏に「なぜ私の家族を誘拐したのか。タイ人の人質は解放したのに、私の家族は5ヶ月もトンネルに閉じこめられている。何のために?私もあなたもイスラム教徒ではないか。」と詰め寄った。

twitter.com/MOhadIsrael/status/176742427454810113

マンスール氏は、ガザで3万人以上が死んでいることを覚えてほしい。イスラエルにあなたたちを利用させるべきでない」と返答していた。

www.jpost.com/israel-hamas-war/article-791418

石のひとりごと

国際社会は明らかに、イスラエルに厳しく、ハマスの犯罪に目をとめていないといえる。アラブ人の人質までとっていることを世界はどう判断するのだろうか。都合のわることは、目をつぶるというのだろうか。

しかし、いかにイスラエルが反論しても、世界の認識がそう簡単に変わるとは思えないというのが現状のようである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。