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南部ラファに2か所、中央ネツァリム回廊に1カ所開設された、アメリカのGHF(ガザ人道財団)とイスラエルによる食糧配布センターでは、本格的な食糧配布を開始した。
しかし、1日から3日続いて銃撃事件が続いたことから、4日目になる、本日6月4日(水)は、配給を1日休止すると表明した。
3日続いたラファ食糧配給所周辺銃撃の真実は?本日4日目は配給休止
ガザ保健省(ハマス)は、6月1日(日)、イスラエル軍が群衆に向かって銃撃したため31人が死亡。170人が負傷したと訴え、国際メディアは、これを大きく報道した。
2日(月)にも同様の事件が発生し、3人が死亡。35人が負傷したと報道。さらに3日(水)には、27人が死亡。90人が負傷したと、メディアは、3日連続、ハマスの主張をそのままとりあげ、堂々と報道している。このため、世界のイスラエルへの非難が高まっている。
国連のグテーレス事務総長はイスラエルを非難し、国連と赤十字も協力を拒否している。

しかし、この件について、6月3日(火)、イスラエル軍のエフィ・デフィリン報道官が記者会見を行った。
デフィリン報道官は、調査の結果、1日(日)に配給所内で31人が死亡したとされる銃撃事件は、実際には発生していなかったと正式に表明した。
前にも伝えられていたように、この日、イスラエル軍は、配給所から約1キロ離れたところで、赤線を超えて近づいてきたパレスチナ人たちに対し、空中への威嚇射撃を行っていた。人に向けられたものではなく、従って負傷者もなかったのこと。
また 2日の銃撃についても、デフリン報道官は、配給所内での銃撃は発生していなかったと述べた。しかし、この時も、配給所から500メートル付近で威嚇射撃をしたことは認め、詳細は現在調査中だと述べた。
デフィリン報道官は、調査に時間がかかっていることに非難も挙がっているのはわかっていると述べ、それだけ確実な調査を行なっているということであり、我々が発信する情報は、真実だということだと述べた。
デフィリン報道官は、イスラエルは、食糧をとりに来る人を妨害しているのではなく、逆に保護している。ガザの人々に銃を向けているのはハマスであると強調。これらのフェイクニュースは、ハマスのプロパガンダの一環だと訴えた。
しかし、これだけの大群衆が、ガザ南部へおしかけているのである。配布会場のみならず、会場までの道中で混乱があってもおかしくはない。
特に北部から南部に移動する中で、大群もガザ市民が、イスラエル軍が駐留する場所を通過しなければならず、危険な状況になりうるということは、国連が危惧していた点でもあった。
治安状況を確立するため、GHFは、6月4日(水)、1日、会場を閉鎖すると発表した。
これまでに配布した食料は700万食とGHF報告
デフィリン報道官によると、ガザ国境には、配布できないまま待機していたトラックが450台あり、それらが日々、ケレン・ショムロン検問所からガザに入っているという。
トラックは、ガザ各地へは行かず、ハマスが関わらない、食糧配給センターからガザ市民に効果的に届いていると述べた。
たとえば、3日(火)朝5-7am中に入ったトラックは21台。2万160箱が配布されたとのこと。これまでに、3カ所の配給所で、700万食分は配布できたとGHFは語っている。
ハマスは、ガザ市民のためには何もしないだけでなく、今は、このシステムを妨害しているので、ハマスはガザ市民の信頼を失いつつあると述べた。
だからこの動きを必死に妨害しようとしてもおかしくはないのであり、逆に、イスラエル軍がこれを妨害するはずがないということでもある。

以下の写真(6月2日)をみると、子供たちが笑顔もみせながら、スープを落ち着いてもらっているようにも見える。
