2024年に殺害された人質6人がガザでハヌカのろうそく点灯する映像公開 2025.12.12

This footage published on December 11, 2025, after being obtained by the IDF from Gaza, shows hostages Hersh Goldberg-Polin, Eden Yerushalmi, Ori Danino, Alex Lobanov, Carmel Gat, and Almog Sarusi in Hamas captivity in late 2023. (Courtesy)

イスラエル、また全世界のユダヤ人たちは、12月13日(日)夕刻から、22日(月)まで、ハヌカを祝う。9本ある特別なメノラーに毎日、ろうそくを灯して、イスラエルの独立を取り戻した時の神の奇跡を思う。

その3日前になる12月11日(木)、イスラエル軍が、ガザで発見した、ハマスが撮影したビデオクリップを、人質家族フォーラムが公開した。

(The Hostages Families Forum via AP)

映っているのは、2024年8月に、トンネルの中で殺害された状態で発見された、人質6人である。

ハーシュ・ゴールドバーグ・ポーリンさん(23)、エデン・イエルシャルミさん(24)、オーリー・ダニーノさん(25)、アレックス・ロバノヴさん(32)、カーメル・ガットさん(40)、アルモグ・サルシさん(27)

クリップは、ハマスがプロパガンダとして撮影した者と考えられ、かなり長い。ハヌカのろうそくに火を灯す様子もあった。ハヌカの歌を歌い、共に祈っている。笑顔で「ハグ・サメアッハ」とも言っている。

ビデオにむかって、「シャナ・トバ」と新年の祝いを告げるとともに、必ず帰るなどとも言っている。

6人は、共に語り合い、肩を寄せ合って共に祈る様子もあった。拉致されたからすぐの2023年12月の様子であることがわかる。暗いトンネルを歩く様子もある。

この他、映像の中での6人は、髪を刈りあったり、カードゲームをしたりしている。

6人はこの約8ヶ月後の2024年8月、ラファの地下トンネルで殺され、その2日後にイスラエル軍に遺体で発見されたのであった。イスラエル軍は、近くまで来ていたのに、6人を救出できなかったのである。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/newly-screened-footage-gives-unprecedented-insight-into-what-hostages-went-through-in-first-month-of-hamas-captivity/

もう死亡していて、この世にはいないのだが、まるで今もまだ生きているようである。ハーシュ・ゴールドバーグ・ポーリンさんの母親は、ポーリンさんの笑顔に目を止めていた。

今は亡き人質6人の家族たちは、「6人は、生きて帰るべきだった」と語り、なぜ彼らが死ななければならなかったのか、真実を追求し、国家が責任をとってこそ、癒しが始まると語っている。

イスラエル国民に対し、今年、ハヌカを祝うにあたり、人質と、戦死した兵士たちを忘れないでほしいと訴えた。

www.ynetnews.com/article/rkksf3om11e#autoplay

石のひとりごと

生き生きした6人の様子。なぜ今、ここにいないのかと思わない家族はいないだろう。

この人々はなぜ死ななければならなかったのか。主は皆の祈りを聞いてくださらなかったのか。

それでも、ユダヤ人は、すべては彼らの神である主のみこころであることを認めるしかない。ユダヤ人たちは、今年もハヌカを祝うのである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。