2020年:祝福されているイスラエル 2020.1.4

出展:ynet

<人口増加>

周辺治安情勢は緊張しているが、イスラエルの人口は2018年から1.9%増加して914万人となった。うち、ユダヤ人は、74.1%の677万人。アラブ人は、21%で191万人。

昨年中に生まれた新生児は17万7000人。イスラエルの総人口に対する新生児数と同じ割合で、日本で新生児が生まれたとしたら、228万人が生まれたことになる。それが日本ではわずか86万4000人であったことを思えば、イスラエルの出生率の高さと、日本の危機的状況が見えてきそうである。

さらにイスラエルでは、移民が3万4000人であった。イスラエルの人口は増える一方である。

www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/274021

ただし、今冬を迎え、イスラエルでは、悪性の風邪が流行している。すでに15人が風邪で命を落としたとのこと。

ネタニヤフ首相が、兼務していた健康相のポジションを超正統派政党のリッツマン氏にゆずったのだが、その超正統派の黒服のリッツマン氏が健康相として、風邪のワクチンを受ける写真が報じられていた。

普段は、科学とは無関係な超正統派が、医療科学の重要な健康相になっていることもあいまって、なんとも不思議な光景である。

www.jpost.com/Israel-News/Flu-death-toll-rises-to-15-vaccines-still-in-short-supply-612855

<海外からの投資増加>

イスラエルのスタートアップによる高い技術力に、世界は競うように投資をしている。Times of IsraelがPwcIsraelのデータとして伝えたところによると、過去10年で、海外から様々な形でイスラエルのスタートアップに海外の会社が投資した額は、700億ドル(約7兆円4000億円)にのぼっていた。

その分野は、自動運転から、半導体、加工業、医療技術、ナビアプリまで様々な分野に及んでいる。

投資で最大だったのは、アメリカのインテルが、2017年にイスラエルから購入した自動運転技術で、153億ドルだった。4位は中国で、2016年に、オンラインゲームを44億ドルで購入している。

www.timesofisrael.com/celebrating-innovation-startup-nations-10-biggest-tech-deals-of-the-decade/

とはいえ、これで国民全体が裕福になったわけではない。貧困層はあいかわらず貧困である。

これは象徴的と言えるかもしれないが、昨年末、テルアビブに近いヤブネで、7-9世紀、イスラム帝国時代の陶器師の作業場とみられる場所で、金貨7枚がみつかった。金貨は小さなつぼに入っていたという。

イスラエル考古学局は、このコインは、陶器師が個人的にためていたものではないかと語っている。ちょうどハヌカの最中の発見であったため、タイムリーな贈り物だと考古学者たちは言っている。

www.timesofisrael.com/ancient-piggy-bank-of-gold-coins-uncovered-in-yavne-dig/

上記記事の続きになるが、エゼキエル書38章には、イスラエルに敵対するチームがイスラエルに攻め込んでくるのは、イスラエルが祝福されて安心している時とされているので、これもまた、その状況を容易に連想させる状況である。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。