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イスラエルへの被害:死者は28人・負傷者3238人(23人重傷)
イランに大打撃を与えたイスラエルだったが、反撃による被害も膨大だった。
12日間の間に、イランが発射した弾道ミサイルは550発。このうち、イスラエルに着弾したのは、31発。また、発射されたドローンは、1000機で、イスラエルに着弾したのは1機(2機との情報も)だった。
添付の表は、発射数と着弾を表した日々のグラフである。迎撃率は90%である。
この攻撃で死亡した人は28人。負傷者は、3238人。このうち23人が重傷、111人が中等度、2933人は軽傷、138人は不安発作だった。負傷者は、イスラエル兵が7人のみで、あとは全員が市民であった。
妻と娘2人を失った人、最後のベエルシェバへの攻撃では、母親と息子(非番のIDF兵士)とそのガールフレンドが死亡するなど(写真左)、一つの家族が大きな喪失に見舞われたケースもある。死者の中には、ホロコーストサバイバーもいた。
数年前にロケット攻撃で妻を失った80歳男性は、今回の攻撃で、無事だったが、自宅は破壊された。
住居を失った人は1万5000人。このうち4000人は親族友人などのところで仮住まいしているが、1万1000人はホテルに収容されている。
被害届4ー5万件・経済的損失は50億シェケル(2150億円)以上

ミサイルが着弾して甚大な被害を受けた重要な公的施設は、ソローカ総合医療センター、ワイツマン研究所、ハイファの石油精製工場などである。これらの被害は、被害額だけでは、損失がはかれない被害である。
また、イスラエルでは、税務所に被害届を出すことになっており、そこからも被害損失の規模が見えてくる。現時点で、提出された申告は約4万件。最終的には5万件になると予想されている。
2023年10月7日襲撃から、今年6月12日までに出された、ガザ周辺と北部国境周辺と、フーシ派の攻撃による被害申告の総数は7万件である。12日間で、4ー5万件と、被害がいかに集中したものだったかがわかる。
被害の内訳は、建物被害が最も多く、3万8700件で、このうち3万1000件がアパートなど住居への被害。3700件が車両への被害。4000件はその他となっている。
地域別にみると、2万5000件とテルアビブとその周辺が最も多く、1万800件がアシュケロン、2600件がハイファとアッコ、94件がエルサレムだった。
税務当局の責任者、アミール・ダハン氏が計算したところによると、申告されている分だけでも、被害総額は50億シェケル(2150億円)にのぼる。
