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第一段階最後の人質解放14人(8人死亡)に向けて
1月19日に始まった42日間第一段階は、まもなく終わりを迎える。合意によれば、次の土曜日に、会報が予定されていた33人の残り14人が解放される予定である。
14人は、シリ・ビバスさん(33)と2人の子供、50歳以上男性5人、40際以下男性6人。
アル・サイードさん(36)と、アベラ・メンギストさん(38)は、10年以上前にガザに迷い込んでそのままになっている人である。
それ以外の12人は、2023年10月7日に拉致された人たちである。
このうち、8人は死亡していることがわかっている。死亡が確認されているのは、シュロモー・マンツルさん(86)だけ(下段右から2番目)で、それ以外の7人は、解放時に生死が明らかになるということである。家族にとってはまさに、心理的な拷問状態だろう。
元人質で解放されたばかりのサーシャ・トゥルファノフさんは、「もうこんなロシアンルーレットは終わらせて、人質全員を帰国させる時が来た。」と言っている。
先週解放された元人質のオハッド・ベン・アミさんは、土曜のテルアビブに集まってラリーをしている人々に対し、「ラリーを続けてほしい」とビデオメッセージを送っていた。
ネタニヤフ首相は、次に解放される人の中で、まだ生存している6人については、土曜日を待たずに解放されることを目指していると語っている。
第二段階はあるのか?
当初の合意によれば、第一段階中に第二段階に関する交渉を行うことになっていた。しかし、ネタニヤフ首相は、ハマスが合意に違反したとして、これを延期。
その間にトランプ大統領との会談を行い、ガザ市民は全員どこかへ再定住という案が世界をかけめぐることとなった。
これに対し、ハマスは、週末の人質3人の解放を延期すると表明したことから、仲介国の尻拭いに回り、予定通り人質3人は15日(土)に解放され、トランプ大統領が警告した戦闘再開による、“地獄”には至らなかったというのが今である。
アメリカのウィトコフ中東特使は、16日(日)に、ネタニヤフ首相、カタールのアル・サーニー首相、エジプトの高官と第二段階をどのようにすすめ、どのように建設的に終わらせるかの協議を行ったとのこと。「第二段階は確実に行われる」と語っている。
第二段階では、イスラエル兵とアメリカ国籍の人も含め、生存しているとみられる19人が解放されるみこみである。同時に遺体になっている人も解放させなければならない。
また重要なことは、ガザの今後に、ハマスが関与しないだけでなく、ガザから離れるようにしなければならないと語ことだとウィトコフ氏は語っている。
イスラエルでは、本日17日(月)に安全保障会議が開催されると同時に、カイロでの交渉に向けて代表団が出発することになっている。
ウィトコフ地上侵攻は、アメリカ、マイアミ州で行われた、人質解放ラリーに出席し「誰一人とりのこさないことを約束する。」と表明していた。
Steve Witkoff, Special Envoy to the Middle East, at a ceremony marking 500 days to October 7 in Miami: "We are not leaving anybody behind." pic.twitter.com/nsLtR7CcLx
— Open Source Intel (@Osint613) February 17, 2025
ガザに関するトランプ大統領案を歓迎するネタニヤフ首相
人質を解放することは言うまでもないことだが、現状として、第二段階で、イスラエル軍の感染対策を求めるハマスと、イスラエルが合意にいたる可能性は高くない。
そうなれば、トランプ大統領が言っているように、「地獄」の戦争が再開になる。また、ネタニヤフ首相は、トランプ大統領のガザの避難民の再定住案を歓迎する立場を表明している。
www.ynetnews.com/article/s1kst5k9kl
こうした中、ネタニヤフ首相は、14日、トレーラーハウス(仮設住宅)と、重機(瓦礫撤去)のガザへの搬入を許可しなかったと報じられた。
合意によれば、第一段階で、少なくとも6万人分のトレーラーハウスの搬入が約束されていたとのことで、イスラエルの合意違反と取られる可能性がある。
しかし、ガザから人々を全員再定住させるなら、トレーラーハウスはいらないわけである。
結局のところ、ネタニヤフ首相の目標は、ガザからハマスを抹消することに変わりはない中で、今の交渉が進められており、人質解放とどっちが大事なのかはまだまだ余談を許さない様相である
今日で500日目:人質解放にむけて断食よびかけ
残りの人質解放については、まだ先が見えない中、本日2月17日、10月7日から500日目を迎えるにあたり、人質のファミリーフォーラムは、人質全員が帰国できるよう、全国に断食を呼びかけた。以下はエルサレムでのラリーの様子
時間は、11:40amから8pm(日本時間午後6時40分から深夜3時)。この間、テルアビブの人質広場では、ラリーが行われることになっている。
石のひとりごと
イスラエルの人たちは、自分のことではないのに、自分の家族のことでもない人々までが、人質か戻ってくるよう、土曜日のデモを行い、それをこの16ヶ月、ほとんど欠かしたことがほとんどない。毎週、大勢が集まって、解放を訴え続けている。
世論調査によると、たとえ、将来の防衛が不利になっても、人質を取り戻すことを優先するべきだと答えたイスラエル人は、61%と半数を超えているという。
今はまた、全国に断食まで呼びかけてまで、神に祈ろうとしている。こんな国は他にないだろう。この様子が、たとえ世俗になっても、命を創造する神という概念を持っている人々であることを表している。