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ジェニン周辺での大規模テロリスト掃討作戦終了か
ここしばらく、自爆テロの試みが失敗に終わったり、未然に防がれるケースが相次ぐ中、ハマスが自爆テロを奨励する動きがある。
こうした中、イスラエル軍は、8月28日から、ハマスとイスラム聖戦が得に集結する町ジェニン、特にその難民キャンプエリア、トゥルカレム、トゥバスの3か所において、「サマーキャンプ」と名づけた大規模なテロリスト摘発作戦を実施した。
パレスチナ自治政府は6日(金)、イスラエル軍は、10日間の作戦を終えて、撤退していったと発表した。
10日間というのは、これまでに行われてきた西岸地区での作戦では、最長である。ただし、イスラエル軍自体は撤退したかどうかは明言していないので、作戦が終わったかどうかは不明。
3地域では、テロリストが、ガザ地区のように、一般市民の地下に潜伏している。このため、イスラエル軍は、家屋にいる市民たちに早く家を出るよう指示した後、ブルドーザーで地下から掘り起こす作業も行っていた。
パレスチナ人たちは、命は助かったものの、家を完全に破壊されたことから、「イスラエルはジェニンをガザのようにした」と語っている。
イスラエル軍は、この作戦で、ハマスやイスラム聖戦の指導者を含む戦闘員は36人が死亡し、指名手配の46人を逮捕したと報告している。
一方、パレスチナ自治政府によると、この作戦中に死亡したパレスチナ人は21人である。
国際活動家(トルコ生まれアメリカ国籍)女性死亡の問題
西岸地区では、同じ頃、別の地域でも問題が発生していた。
6日、過激入植者がナブルスを襲撃し、放火するなどして混乱する中、13歳のバナ・アミヤド・バクルさんが、その中での銃撃で、自宅の自分の部屋で死亡した。
また同じ6日、パレスチナ人に混じってデモに参加していた国際ソリダリティ運動(ISM)に所属するアイセヌール・エズギ・エイギさん(26)が死亡した。
エイギさんは、トルコ生まれのアメリカ国籍の女性で、パレスチナ人ではない。
その場にいたとするイスラエル人によると、エイギさんなど国際活動家とパレスチナ人数十人が、イスラエルのエビヤタール入植地(過激右派ユダヤ人のいる違法入植地)を見下ろすベイタで、6日(金)イスラムの祈りをささげていたところで、イスラエル軍の銃撃を受けて死亡したとのこと。
家族は、エイギさんが、イスラエル軍によって、違法に、不法に、暴力的に殺されたと訴えており、バイデン大統領、ハリス副大統領に対し、米国民が殺されたのだから、詳しく調査することを要求している。
トルコのエルドアン大統領も、避難声明を出し、イスラエルの“大量虐殺”と“占領”を避難すると述べた。
イスラエル軍とアメリカのブリンケン国務長官は、まず調査をすると言っているが、いうまでもなく、国際メディアがは、一斉にイスラエルを非難する記事を出している。
www.timesofisrael.com/american-turkish-activist-said-shot-dead-by-idf-troops-at-west-bank-protest
石のひとりごと
イスラエル軍は、自爆テロをなんとしてでも未然に防がなければとの使命を持って、西岸地区に入っているが、ガザ同様に、悲惨な破壊が問題とされる。
また、過激入植者はイスラエル人なので、その暴力がイスラエルを代表する意思表示ではないが、国際社会では、イスラエルが非難されることになる。
国際社会におけるイスラエルの立場は、悪くなる一方である。
イスラエルには、自己防衛の権利があるはずだが、この過激入植者の行動は、その訴えを破壊してしまう。2000年前に、第二神殿が破壊され、イスラエルが崩壊した時を思わされるような状況である。