黙示録レベル!?:イラクで崩壊寸前のダム 2016.8.7

ISISの登場で、中東は大混乱だが、イラクにモスル・ダムというとんでもない時限爆弾があることがわかった。

このダムは、チグリス川に設立された、崩壊寸前の巨大なダムで、まったくいつ崩壊するかわからないらしく、もし崩壊したら、一瞬にしてモスルからバグダッドに住む50万から150万人近くが死亡するとも言われている。

つまり、イラク軍が必死にISISを追い出して、町を建て直そうとしているが、ダムの崩壊によって、一瞬にして、押し流されてしまう可能性があるということである。

ダムに最も近い村、ワナの住民は、「ISISも恐いが、ダムの崩壊はもっと恐ろしい。」と話している。アメリカは、今年2月、この地域に住むアメリカ人に退去勧告を出している。

このダムは、1980年、サダム・フセイン時代に作られたダムだが、地層が石膏であるため、水でダムの底が溶けることによって崩壊する可能性があるという。2006年にアメリカ軍工兵隊から、「世界で最も危ないダム」と呼ばれるようになっていた。

崩壊を防ぐために、日々のメンテナンス(年間400万ドル)を必要としているのだが、2014年にISISがモスルを支配していた45日間、まったくケアがなされていなかったことから、今はさらに危険な状態になっているとみられる。

中東はまさに戦争以外においても、何がおこるかわからない地域になっているようである。

edition.cnn.com/2016/04/08/middleeast/inside-the-mosul-dam/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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